11SIX24 Jelly Bean 2、Proton Project Coyote、Ronbus Quanta Pro、RPM Jade、Six Zero Boulder Opal。2026年8月下旬から9月にかけて、北米のパドルメーカーが新モデルを立て続けに出した。5本に通じるのはフォームの使い方で、実売は約1.8万円から5.6万円まで開いている(1ドル150円換算、送料・関税別)。どれも日本の量販店にはまだ並んでいない。ここでは各モデルの中身を押さえたうえで、用途別にどれへ手を伸ばす価値があるかを並べる。
フォームがコアと外周を占めた5本の共通点
2024年から2025年は、ポリプロピレンのハニカム芯をカーボンで包んで熱成形するつくりが主流だった。2026年の新作は、その芯をフォームに置き換えるか、ハニカムの外周にフォームを流し込む構成へ寄っている。芯を潰れにくくして反発の均一さを稼ぎ、外周にフォームを足して打点の許容範囲を広げる狙いが背景にある。この流れは以前から始まっていて、ハニカムからフォームコアへ、パドルの主役が替わり始めたで追った通り、今回の5本でひとつの節目に達した。
11SIX24 Jelly Bean 2、EMAフォームコア16mmを4形状で展開
8月21日に169.99ドル(約2.5万円)で出た。2024年に11SIX24を広く知らせた初代Jelly Beanの後継で、芯は柔らかく密度の高いEMAフォーム、厚みは16mm、表面は同社のHexGrit。形状はHurache-X(エロンゲート)、Vapor(ハイブリッド)、Ultré(ハイブリッド)、Pegasus(ワイドボディ)の4種で、いずれもUPA-A認証を取っている。1本で握りの好みに合わせて形を選べる点が、初代からの実質的な進歩になる。発売直後から一部の形状は売り切れた。初代の背景は11SIX24が名機Jelly Beanを4形状16mmで復活させるにまとめてある。
Proton Project Coyote、ハニカム+フォーム外周のGen-3で出力に振った15mm
厚み15mm、全長16.5インチ、幅7.5インチ、重量7.78オンス(約221g)、スイングウェイト116.8。芯はポリプロピレンのハニカムに外周を補強フォームで固めたGen-3構成で、表面はカーボン。価格は195ドル前後(約2.9万円)。ドライブとサーブ、オーバーヘッドで出力が伸びる一方、ツイストウェイトは5.9と控えめで、打点が芯を外れると失速する。自分でタッチを作れるエロンゲート志向の打ち手に向く。回転の測定値は約2,279RPMと高く、この数字は後段で触れる規制と関わる。
Ronbus Quanta Pro、EPPフォームコアを1万円台に収めた一本
119.99ドル(約1.8万円)。第4世代のつくりで、軽量なEPPフォーム芯にEVAエラストマーのリングを組み、出力と弾きを保ちつつ振動を抑える。表面はNanoBondグリットで、ふつうの面が摩耗して滑らかになった後も回転を出し続ける狙い。内部ウェイトと補強したスロートで安定を足し、重量は7.9オンス(約224g)。USAPのPBCoR.43認証を取り、公認大会でも使える。フォームコアの体験を最も安く試せる位置にある。
RPM Jade、シリコンカーバイド面のフルフォーム、価格は最上位
全ビルド375ドル(約5.6万円)で、今回の5本では最も高い。面はSICmatrixのシリコンカーバイド、芯はフォームを主体にEVAの外周を組んだ構成で、握りは長さ5.5インチ・周径4.125インチ。USAP登録済みでPBCoR値は0.43。14mmと16mm、エロンゲートとワイドボディから選べる。シリコンカーバイド面は摩耗に強く、回転の持続を長く見込める。価格帯を許容できる人が、面の寿命と質感を取りにいく一本になる。
Six Zero Boulder Opal、SharkSkin面14mmハイブリッドで回転を押す
220ドル(約3.3万円)、厚み14mmのハイブリッド形状。面はSix Zeroが特許出願中のSharkSkinカーボンで、グリットの耐久はTier 4。試験個体で重量8.14オンス(約231g)、回転は2,099RPM、スイングウェイト116、ツイストウェイト6.28、バランスポイント239mm。ラボ計測ではパワー57.7MPHが上位1%に入り、打点の広さと回転を両立させている。見栄えも新作の中で目を引く。厚み14mmらしい手応えの速さを好む打ち手向き。
用途別に見た5本の置きどころ
スペックの近い順ではなく、何を優先するかで並べ替えると選びやすい。
- 握りの形を試したい、または家族で1機種を共有する場合は、4形状のJelly Bean 2。16mmで扱いが素直な点も効く。
- ドライブとスマッシュで押し切りたいなら、15mmで出力に振ったProject Coyote。ただし芯を外したときの失速は前提に置く。
- 初めてフォームコアを試す、費用を抑えたい場合はRonbus Quanta Pro。1万円台で公認対応まで揃う。
- 面の摩耗を嫌い、回転の持続を長く取りたいならRPM Jade。価格の高さと引き換えになる。
- 14mmの速い手応えと回転を軸に置くならSix Zero Boulder Opal。中厚から薄めへ寄せたい打ち手に合う。
厚みは14mmが手応えの速さ、16mmが扱いやすさに寄る。フォーム主体の芯は打感が柔らかく出る傾向があり、ハニカム+外周フォームは弾きの硬さを残す。試打なしで選ぶなら、この二軸で当たりを付けると外しにくい。
10月の回転数上限が効いてくる読み方
用具規格は動いている最中で、10月から回転数の上限が敷かれる。詳細はスピンに天井、10月の回転数2100規制がアジアのパドル工場を揺らすにまとめた。今回の5本でいえば、Boulder Opalの計測値2,099RPMは上限のすぐ下、Coyoteの2,279RPMは上回る水準にある。数字は個体差と計測条件で動くため、公認大会に出る人は購入前に各モデルの認証状態を確かめておきたい。Jelly Bean 2はUPA-A、Quanta ProとRPM JadeはUSAPのPBCoR.43で認証を取っている。娯楽の打ち合いが中心なら、この上限はさほど響かない。
日本の購入検討者が今できること
5本とも国内正規流通はまだで、入手は各メーカーの直販か海外ショップの越境購入になる。価格に送料と関税が乗るため、375ドルのRPM Jadeなどは総額が国内相場より膨らむ点を見込んでおく。急がないなら、初回ロットの売り切れが落ち着き、レビューの計測値が出そろってから動く手もある。フォームコアは全体としてピーク時より反発を抑えた方向へ進んでいて、その事情は認定パドルはピーク比6割減、それでも進化が止まらない理由で扱った。用途と予算を先に決めてから、上の用途別の並びで1本に絞るのが遠回りしない道になる。
Sources
- The Dink Pickleball「5 New Pickleball Paddles That Are Sure to Sell Out Quick」
- The Dink Pickleball「11SIX24 Jelly Bean 2: Launch Date, Specs, and Photos」
- Pickleball Effect「Six Zero Boulder Opal Specs, Lab Test Data, and Review」
- The Kitchen Pickleball「Proton Project Coyote Review」
- Pickleheads「Ronbus Quanta Pro Review」
- Pickld「RPM Jade Review」
