米ピックルボールメーカーの11SIX24が、2年前にレビュアーと愛好家の支持を集めたパドル「Jelly Bean」を第2世代「Jelly Bean 2」として復活させる。デビューは8月21日。Hurache-X/Vapor/Ultré/Pegasusの4形状をそろえ、いずれも厚み16mm、UPA-A承認、耐久グリップ面「HexGrit」を採用する。パドルが軒並み2万円超へと高級化するなか、価格は初代の約100ドルから169.99ドル(約2万6千円、1ドル155円概算)へ上がった。それでも自社の上位機や高級ブランドの主力より一段下に据える一手で、上位に迫る中身を3万円未満で狙いたい日本のプレーヤーの選択肢が一つ増える。
Hurache-XからPegasusまで4形状、16mm・UPA-A承認で8月21日に登場
11SIX24が公開した情報によると、Jelly Bean 2は同社の主力である4つのシェイプで一斉に出る。細長いHurache-X、ハイブリッド形状のVaporandUltré、面の広いワイドボディPegasusという並びだ。全モデル共通で厚みは16mm、面は同社が耐久性を売りにするHexGritで、UPA-A(USA Pickleball傘下の用具認証枠)に承認済みとされる。価格はピックルボール専門メディアThe Dinkが報じた169.99ドル(約2万6千円、1ドル155円概算)。初代の約100ドルからは引き上げだが、後述する自社上位機Power 2よりは下に置く。
初代Jelly Beanは約100ドルで「価格以上」と評され、コントロール系の顔になった
そもそも初代Jelly Beanがなぜ話題になったのか。2年前の登場時、海外のレビューサイトはこぞって高評価を付けた。米Pickleball Studioは「価格を問わず最も優れたコントロールパドルの一つ」と評し、別のレビューサイトPickle Madnessは「90ドルの価格を知らなければ150〜160ドル台だと思うだろう」と、価格を大きく上回る性能だと書いた。実売はおおむね99.99ドル前後(割引時は約89〜90ドル)。サードショットドロップやリセット、ディンクといった置きにいく球で扱いやすく、初中級者が最初の一本に選びやすい価格と性能の釣り合いが支持された。パワー系ではないぶん、強打で押し切りたい人には物足りないという指摘も同時にあった。
2万円超が当たり前の市場で、フラッグシップの一段下に価格を据える
この復活が示すのは、価格帯の二極化が進むパドル市場での立ち位置の取り方だ。JOOLAやSelkirk、Six Zeroといった主要ブランドの上位パドルは日本の店頭で2万円台後半から3万円台に達し、11SIX24自身も上位ラインのPower 2シリーズは209.99ドル(約3万2千円、1ドル155円概算)で売っている。そのなかでJelly Beanは、初代が約100ドルの安さで「価格以上」の評価を築いたラインだ。第2世代は169.99ドルへ上げたが、Power 2や2万円台後半〜3万円台の他社主力よりは下に収まる。安さそのものではなく、上位機に迫る中身を一段安い価格で出す立ち位置へ移った。ブランドの多角化とは逆に、用具の本分で勝負するこの姿勢は、パドル会社がアパレル15品目まで手を広げるSix Zeroの動きと並べて読むと対照が際立つ。品数を増やして接点を作るブランドと、一本の価格性能比で選ばせるブランドの、戦略の違いがそこにある。
| ライン | Position | 実売の目安 |
|---|---|---|
| Jelly Bean(初代) | コスパ・コントロール | 約99.99ドル(割引時約89〜90ドル) |
| Jelly Bean 2(新) | 食いつき重視・認証あり | 169.99ドル(約2万6千円) |
| Power 2 Series | 上位・パワー | $209.99 |
※価格は海外実売・公式表示にもとづく概算で、円換算は1ドル155円で計算した目安。為替と流通で変動する。
柔らかく密度の高いフォームコアで、パワーより「食いつき」を選んだ
中身の設計思想も初代の延長線にある。Jelly Bean 2は、上位のPower 2ラインより柔らかく密度を高めたフォームコアを採用し、弾き飛ばすパワーではなく、球が面に留まる時間(ドウェル)を長くする方向に振ったとされる。ここ数年、パドルの芯はハニカム構造から発泡素材へと主役が移りつつあり、Jelly Bean 2のコア設計はその流れのなかにある。芯の素材が打感やコントロールをどう変えるのかは、ハニカムからフォームコアへ主役が替わり始めたパドルの構造変化を合わせて読むと立体的に見えてくる。パワーを最大化するのではなく、狙いをコントロールに絞る。その割り切りがJelly Beanの一貫した性格だ。
日本のプレーヤーには、上位機より安い価格と「UPA-A承認」が効く
日本のプレーヤーへの効きどころは二つに分かれる。一つは価格だ。169.99ドルは輸入の送料・関税が乗ると国内実効で3万円近くまで届きうるが、それでもJOOLAやSelkirkの主力より下に収まりやすく、コントロール重視で初中級者の一本目を探す層には現実的な射程に入る。もう一つは「UPA-A承認」という表示が持つ意味だ。認証枠は大会でパドルが使えるかを左右する土台で、その仕組みはUPA-Aが非営利化し認証が二本立てになる再編と合わせて理解しておきたい。承認済みという一語が、値ごろでも公式戦の入口に立てることを担保している。入手性については、11SIX24は公式サイト直販が中心で、日本からの購入は個人輸入か並行輸入が主なルートになる。送料・関税・到着日数と、国内保証が付かない点は買う前に見ておきたい。国内正規流通が広がるかどうかが、この価格帯のパドルが日本でどこまで根づくかの分かれ目になる。
