ピックルボールのPPAツアーアジアが、香港・啓徳(カイタック)アリーナで10月19〜25日に開く「Hang Seng Bank Hong Kong Slam 2026」のエントリー受付を9月21日に締め切った。25を超える国・地域から1,000人以上が登録し、アジア初開催となる最上位「1500」格付けの大会として実施される。プロ賞金は最大110万米ドル。プロとアマチュアが同じ24面に並ぶ大会として、日本の愛好者にとって海外大会の参加規模を具体的に示す。
登録開始30分で280人、締切までに1,000人を超えた
PPAツアーアジアが9月21日に出した集計では、登録開始から30分で280人、最初の1時間で460人超、24時間で730人超が申し込んだ。受付開始は8月10日午後3時15分(香港時間)で、8月25日時点の発表ではすでに860人超に達していた。
香港が650人、米国の70人はプロ側に集まった
国・地域別では地元香港が650人超で最多。海外勢の最大は米国の70人超で、その多くがプロ部門に登録した。フィリピンと中国本土が各50人超で続き、マレーシア、チャイニーズタイペイ、オーストラリア、日本、ベトナムが次の層。ほかにカナダ、メキシコ、英国、フランス、スペイン、ニュージーランド、ブラジル、ボリビアが参加を予定している。
9歳から71歳まで、女性が全体の4割
最年少は9歳、最年長は71歳。18歳以下のジュニアは82人、女性はプロ予選からアマチュアの各ドローまで通して全体の40%を占める。40種目に2,100件超のエントリーが入り、最多はミックスダブルスの685件だった。
数字の物差しが2つ混ざっているので断っておく。2,100件超は「エントリー数」で、1人が複数種目に出られる。1,000人超は「人数」で、プロ340人超とアマチュア約800人も人数、足すと1,140人になる。公式は最終的な出場者リストとエントリー数をまだ確定前としているので、どちらも確定値が出るまでは概数として読むのが安全だ。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 登録者数 | 1,000人超/25以上の国・地域 |
| 香港(地元) | 650人超 |
| プロ部門 | 340人超 |
| アマチュア部門 | 約800人 |
| 種目数/総エントリー | 40種目/2,100件超 |
| 最多種目 | ミックスダブルス 685件 |
プロ賞金は最大110万米ドル、ツアー内で3.7倍の差
ツアー公式の発表では、プロ賞金を最大110万米ドル(約858万香港ドル・約1億6,500万円)とし、アジアのプロピックルボール史上で最高額としている。主催はF-Sports Promotions、ツアー運営はUPA Asiaだ。
金1,500点、負けても準々決勝で300点が付く
| 成績 | シングルス | 同性ダブルス | ミックス | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 優勝 | 14,000 | 56,000 | 46,000 | 1500 |
| 準優勝 | 7,500 | 30,000 | 26,000 | 1200 |
| 準決勝敗退 | 3,800 | 15,000 | 12,600 | 750 |
| 準々決勝敗退 | 1,900 | 7,600 | 6,400 | 300 |
金額は米ドルで、PPAのゴールド契約プロが対象。契約形態の違うプロは別表になる。同性ダブルスはシングルスの4倍だが、ミックスはそれより1万ドル低い。685件の集中は賞金では説明がつかず、公式も人気種目と書くだけだ。しかも685件はプロとアマチュアの合算で、アマチュア側に賞金は付かない。
年間10戦のうち、最終戦だけ賞金が約3.7倍になる
2026年のPPAツアーアジアは7市場10戦。4月のハノイ・カップと9月のクアラルンプール・カップが最大30万米ドル、5月のクアラルンプール・オープンと東京オープン(7月1〜4日)が5万米ドル、マカオ・中国(6月と8月の2戦)・シンガポール・ホーチミンの5戦が各7万米ドルだった。最終戦の香港だけが最大110万米ドルで、ハノイの約3.7倍になる。年間の順位を決める1週間に、賞金とポイントを集中させる作りだ。
啓徳の24面と有明の60面、格付けは1500と125で違う
会場の啓徳アリーナは2025年開業、1万席の屋内施設で、旧・啓徳空港跡地の啓徳スポーツパークにある。大会期間中はここに国際規格のコートを24面敷く。
月曜の予選から日曜の決勝まで、1日ずつ段が上がる
公式日程では10月19日(月)が予選で9時から21時、20日が64強、21日が32強、22日が16強、23日が準々決勝、24日が準決勝、25日(日)の決勝は13時開始・18時終了。チケットは日ごとに売られ、入場無料のファンゾーンも置かれる。
12月の有明は主催も格付けも別、賞金・賞品は総額1,500万円超
日本で12月に開かれる大会は、主催も格付けも香港とは別物だ。有明テニスの森公園で12月7〜11日に開かれるPJピックルボールチャンピオンシップスはピックルボール日本連盟の主催で、インドア24面とアウトドア36面の計60面、賞金・賞品総額は1,500万円以上。このうちプロカテゴリーがPPA Asia 125で、香港の1500とは1桁違う。PPAツアーアジアの10戦に入る日本の大会は7月の東京オープンのほうだ。
日本から香港クラスの大会に出るなら何が要るか
今回の発表で、日本は「マレーシア、チャイニーズタイペイ、オーストラリア、日本、ベトナム」という並びで触れられた。人数の実数が出た香港・米国・フィリピン・中国本土の4つには入っていない。DUPR登録者の伸び率で日本が5位・170%という集計と並べると、伸びてはいるが、国外の大会に人を送り出す段になると人数が薄くなる、という現在地が見える。
アマ枠は先着順で、受付開始から2週間で消えた
香港のアマチュア枠は年齢別・レーティング別に分かれ、申し込み順に埋まる方式だった。受付が開いたのは開催の約2か月半前にあたる8月10日で、約2週間で枠が尽きた。海外の上位大会は告知の時点から追い、受付開始の時刻に動く必要がある。大会週は月曜から日曜まで続くので、渡航は自分の種目が入る2〜3日に絞ることになる。
点の重みが違う大会を先に押さえる
公式の説明ではPPAツアーアジアはスラム・カップ・オープンの3階層で、各大会で得た点はどれも世界ランキングに積まれる。香港は優勝1,500点、準々決勝で敗れても300点が付く最上位だ。国内で試合数を積む段階と、格付けの高い大会へ遠征する段階を分けて組まないと、移動費と獲得ポイントが見合わなくなる。
冠は恒生銀行、信和集団はホテルで入った
恒生銀行(ハンセン銀行)がタイトルスポンサー、不動産大手の信和集団(Sino Group)が公式ホテルパートナー、香港中国テニス協会が支援という形だ。恒生銀行のLuanne Lim氏は、アジア初のPPA1500招致で香港のイベント都市としての立場を強められると述べた。UPA AsiaのKimberly Koh氏は、記録更新の賞金とポイントに加え、世界の選手とアマチュアが同じ舞台に立つ点を挙げた。F-Sports PromotionsのFeng Huanhuan氏は、昨年の初開催から1年でコミュニティや学校、公園に広がったと説明した。
地元の一番手は今季5金5銀13銅
香港のトップ選手Hong Kit Wongは、今季のツアー各戦で金5・銀5・銅13を積み上げた。昨年の香港大会では男子シングルスで金、男子ダブルスで銀。会見では連覇を狙うと話した。地元に優勝候補を抱えて最上位大会を開けるのは、香港側の強みだ。
ベトナム勢は半数が23歳以下でプロ側に入った
発表で特筆されたのがベトナムで、登録者の半数が23歳以下、その多くがプロ部門に入った。中国本土・フィリピン・インド・カンボジアも半数が27歳以下だった。8月末から9月にかけてダナンで開かれたヘイネケン・ピックルボール・ワールドカップで開催国ベトナムが5日目までに金106個を積み上げたように、東南アジアは若い層を大量に送り込む段階にある。香港の1週間は、その層が賞金の付く舞台で通用するかを測る場になる。
チケットとアクセス、決勝は10月25日13時から
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会名 | Hang Seng Bank Hong Kong Slam 2026 |
| 会期 | 2026年10月19日(月)〜25日(日) |
| 会場 | 啓徳アリーナ(香港・啓徳スポーツパーク) |
| アクセス | MTR啓徳駅から徒歩圏 |
| コート | 国際規格24面(1万席・2025年開業) |
| 決勝 | 10月25日13:00〜18:00(香港時間) |
| チケット | HK Ticketingで9月10日から一般発売、日別。ファンゾーンは無料 |
| プロ賞金 | 最大110万米ドル/優勝1,500ポイント |
| エントリー | 9月21日締切済み |
香港のエントリーは締め切られたので、今から動けるのは観戦か次戦の準備になる。日本ですぐ取れる一手は、12月7〜11日の有明で開かれるPJピックルボールチャンピオンシップスを見に行くことだ。全エリアの観戦は無料で、60面にPPA Asia 125のプロ戦とアマチュア各カテゴリーが同居する。香港と同じ「プロと同じ会場で戦う」形式を渡航費なしで確かめられる。そこで自分の現在地を測ってから、来季のカレンダーが出る時期に狙う1戦を決めればいい。

