米スポーツ用品メーカーのフランクリン・スポーツが、アジアを回る「Franklin Asia Pickleball Showcase」の初戦をマニラで開く。開催は2026年10月で、以降はマレーシア、香港、ベトナムへ移る。マニラ回には女子世界ランキング1位のアナ・リー・ウォーターズが登場する。
初戦はマニラ、続くのはマレーシア・香港・ベトナムの3市場
同社インターナショナル責任者のジャレッド・フランクリン氏はInsiderPHに「フィリピンは世界で最も成長の速いピックルボール市場の一つで、世界1位のアナ・リー・ウォーターズをマニラに連れて行けることを、これ以上誇りに思うことはない」と述べている。巡回先はフィリピン(初戦マニラ)、マレーシア、香港、ベトナムの4市場で、各媒体の記述は一致している。
今回参照した各媒体では会場は未発表で、日程を書いているのはSunStarだけだ(10月13〜15日)。同日報道のthegame.phとPhilstar.comは、会場も日程も数週間のうちにフランクリン・ピックルボールのSNSで告知されるとしている。
ウォーターズがマニラで何をするかについて、SunStarは「プレーを間近で見る機会になる」、thegame.phは「高速のプレーを見せる」と書いている。両媒体はあわせて、9月2日にウォーターズがニューヨークのタイムズスクエアのLED看板の前でInstagramに投稿した、黒地に白い「?」だけが入ったパドルにも触れている。thegame.phはこれをフランクリンの新パドル投入に向けた世界共通のティザーと位置づけ、彼女がMLP決勝を勝ったときのパドルと同じものだとしている。マニラでの扱いは媒体で分かれる。InsiderPHは「フランクリンはマニラのショーケースを、ウォーターズが使いタイムズスクエアでティザーに出した未発売パドルを含む最新用具をフィリピンの選手に紹介する場に使う」と書いた。一方でthegame.ph、SunStar、Philstar.comはマニラでの披露に触れていない。
1,213%はDUPRの新規ユーザー12か月データと同じ数字
各媒体が伝えた発表内容では、成長率の根拠は「前年比1,213%」までで、それが売上か登録者か大会参加者かは示されていない。同じ1,213%は、9月11日更新のThe Kitchen Pickleballの記事に載っている。こちらは評価システムDUPRが直近12か月の新規ユーザー増加を集計したもので、フィリピンが1位の1,213%、以下インドネシア405%、中国183%、インド182%、日本170%と並ぶ。どちらも1,213%で、桁までそろう。
同じランキングは成長最速10か国が全部アジアに入り、日本が5位で170%だった件として当サイトでも扱っている。発表文に出てくる他の数字についても、社外の集計とは突き合わせられなかった。現時点で確認できた範囲を整理する。
| Item | 同社の主張 | 確認できたこと |
|---|---|---|
| フィリピンの成長率 | 前年比1,213%、世界最速 | DUPRの新規ユーザー12か月データとしてThe Kitchenが9月11日に公表した数値と一致。各媒体の報道に母数の説明はない |
| 同社の用具を使う選手のメダル | 今季105個 | SunStarはPPAとAPPのプロツアー合計とし、ハイデン・パトリキンら8人の名前を挙げる。選手ごとの内訳はない |
| X-40のシェア | 北米で75%超 | 同社発表のみ。第三者の集計は見つからなかった |
| X-44 | 年末年始ごろ投入、ウォーターズが推奨する「より速いプレー向け」の新球 | 発売日・価格・投入国はいずれも未発表 |
| マニラ回の日程 | October 2026 | 会場は今回参照した各媒体で未発表。日程はSunStarのみ10月13〜15日と報じる |
巡回先4市場のうちマレーシア9位・ベトナム10位、香港はリスト外
発表文はフィリピンの成長率を選定理由として前面に出している。同じDUPRのリストで残り3市場を見ると、マレーシアは9位の120%、ベトナムは10位の110%で、順位はフィリピンから離れる。ただしこのリストは世界で伸びが最も速い10か国を並べたもので、9位・10位も世界の上位10に入る。The Kitchenも、絶対数ではなく増加率のため母数の小さい市場ほど高く出ると注記している。香港は国単位のこのリストに含まれない。
| Standing | Country | 12-month growth rate | 今回の巡回先 |
|---|---|---|---|
| 1 | Philippines | 1,213% | 初戦(マニラ) |
| 2 | Indonesia | 405% | 入っていない |
| 3 | China | 183% | 入っていない |
| 4 | India | 182% | 入っていない |
| 5 | Japan | 170% | 入っていない |
| 6 | Thailand | 170% | 入っていない |
| 7 | South Korea | 159% | 入っていない |
| 8 | Singapore | 153% | 入っていない |
| 9 | Malaysia | 120% | 巡回先 |
| 10 | Vietnam | 110% | 巡回先 |
数値はThe Kitchen Pickleballが掲載したDUPRの新規ユーザー12か月データ。巡回先の欄は各媒体の発表内容を当サイトで突き合わせたものだ。
販路はDecathlonなど複数の小売、X-40はパッキャオのMPPT公式球
Philstar.comによればDecathlon、Toby’s Sports、Chris Sports、Juego PHなど複数の小売で、パドル、ボール、バッグ、シューズ、アクセサリーが並ぶ。InsiderPHは「小売網を構築中」と書いており、扱い店の全体像は示されていない。
球の採用も先に決まっている。X-40はマニー・パッキャオが創設したマハルリカ・ピリピナス・ピックルボール・ツアー(MPPT)の公式球で、MPPTは12チーム制で10月3〜4日にパンパンガ州アンヘレス市で初戦を迎える体制をとる。各レグの優勝チームに100万ペソ(約250万円、1ペソ約2.5円)が出る。同じ10月に、プロツアーの開幕と用具メーカーのショーケースがフィリピンで並走する。
年末年始ごろ投入予定のX-44は「より速いプレー向け」の新球としてウォーターズが推奨に付く。何と比べて速いかは各媒体が書いていない。
ウォーターズは4月にもホーチミンでクリニックを予定していた
フランクリンとウォーターズの組み合わせでアジアで催しを開く計画は、今回が最初ではない。The Dink Pickleballは3月10日の記事で、ハノイのMB Hanoi Cup出場後に彼女がホーチミン市へ移り、4月6〜7日にフランクリン・スポーツのクリニックとショーケースを開く予定だと伝えている。ウォーターズ自身も「試合をして、その後にホーチミン市でフランクリン・スポーツとクリニックとショーケースを通じて好きな競技を分け合えるのは、世界の舞台で競技を育てる素晴らしい機会だ」と話していた。当サイトも当時、ホーチミンでのクリニックが4月6〜7日に組まれた件を扱っている。
今回新しいのは、単発の開催地ではなく4カ所を順に回る形をとった点と、その第1戦にマニラを置いた点だ。
日本は巡回4市場に入らず、球はMPPT公式球として当たる
発表された4市場に日本は含まれていない。各媒体が伝えた選定理由はフィリピンの成長率だけだ。
日本のプレーヤーに具体的に効く可能性があるのは球のほうだ。X-40はMPPTの公式球のため、同ツアーに出る選手は本番球として当たる。他のアジアのプロツアーが何を公式球にしているかは、各大会の要項による。今できるのは、出場予定の大会が公式球にX-40を指定しているかをエントリー要項で確かめることだ。X-44は年末年始ごろの投入予定で、公認や大会採用はまだ発表されていない。
マニラ回の会場は、フランクリン・ピックルボールのSNSで追って告知される。
Sources
- InsiderPH「US sports giant Franklin bets on PH pickleball boom in Asia push」(2026年9月21日)
- Philstar.com「World No. 1 pickleball player Anna Leigh Waters bound for Manila in October」(2026年9月21日)
- thegame.ph「Anna Leigh Waters Leads Franklin Asia Pickleball Showcase」(2026年9月21日)
- Tiebreaker Times「Franklin Sports brings top pickleball player Anna Leigh Waters to Manila」(2026年9月21日)
- SunStar「World No. 1 Waters to headline Franklin pickleball in Manila」(2026年9月22日)
- The Kitchen Pickleball「10 countries where pickleball is growing the fastest」(2026年9月11日更新)
- The Dink Pickleball「Anna Leigh Waters Will Make International Debut in Vietnam」(2026年3月10日)
