米国発のプロリーグ、メジャーリーグ・ピックルボール(MLP)がアジア版を立ち上げ、その最初のインターナショナルドラフトが9月14日までに終わった。6つの国・地域を代表するチームに選手が振り分けられ、日本を拠点とするTeam Tokyoが発足。主将には日本のトップ選手・船水雄太が就いた。開幕戦は11月13日に日本で予定され、アジアのプロ興行が海の向こうの話ではなくなる。日本の愛好者にとっては、国内のコートで世界水準の団体戦を観られる入口が一つ増える。
6か国のチームに世界の選手が振り分けられた
今回のドラフトは、MLPアジアの初シーズンに向けて各チームが選手を確保する場だった。参加するのは中国のDragon Warriors、香港のHong Kong Cannons、マレーシアのMalayan Stripes、フィリピンのManila Helios、日本のTeam Tokyo、ベトナムのViet Panthersの6チーム。北米で活躍する選手も指名対象に入り、アジアのリーグに世界のランカーが名を連ねる形になった。
指名の目玉は全体1位で、15歳のタマ・シマブクロがベトナムのViet Panthersに入った。日本にゆかりのある若手が日本のチームではなくベトナム勢に加わった点は、このリーグが国籍でなくチームの戦略で選手をそろえる興行であることを示している。船水が率いるTeam Tokyoは、この全体1位を巡る競争のなかでロースターを固めていった。
MLPアジアのドラフトは、単純な順番指名ではない。各ラウンドの前にチームが金額を入札し、高い額を出したチームから指名できる方式が採られた。全3ラウンドを通じて、各チームは限られた予算をどの選手に厚く張るかを迫られる。強い選手をピンポイントで取りにいくのか、複数の枠を薄く広げて埋めるのか。編成の巧拙が金額の使い方に表れる設計になっている。
この仕組みは、MLP本体が北米で回してきた入札型ドラフトの流れをアジアに移したものだ。プロチームの経営としては、選手の値付けとチーム全体の予算配分がそのまま順位に響く。観る側にとっても、誰がどのチームにいくらで収まったかが一つの読みどころになる。船水を軸に据えたTeam Tokyoが、開幕までにどんな組み合わせで戦うのかが日本のファンの関心事だ。
6チームの主将と拠点を一覧で確認する
| チーム | 国・地域 | 主将 |
|---|---|---|
| Team Tokyo | 日本 | 船水雄太 |
| Viet Panthers | ベトナム | クアン・ドー |
| Dragon Warriors | 中国 | リンウェイ・コン |
| Hong Kong Cannons | 香港 | ウォン・ホンキット |
| Malayan Stripes | マレーシア | ジミー・リョン |
| Manila Helios | フィリピン | キム・サラザ |
初シーズンは11月から12月にかけての約5週間で組まれ、初戦は11月13日に日本で行われる。年内に集中して日程を消化する短期決戦型で、各チームの主将は選手起用とペア編成の両方を背負う。船水が主将としてどこまで采配に踏み込むかは、日本のチーム作りを占う材料になる。
入札ドラフトから見える各国の狙い
日本にとっては、国内拠点のプロチームが公式に旗を掲げた事実そのものが節目になる。テニスや卓球からの転向組が多い競技だけに、船水のような実力者が主将で表に立つ意味は大きい。競技を志す層に、目指せる到達点をはっきり示すからだ。
注目すべきは、ベトナムや香港が北米のランカーを積極的に指名した点だ。15歳のシマブクロを全体1位で取ったベトナムの動きは、アジア勢が「育てる」だけでなく「買って勝ちにいく」段階へ進んだ合図と読める。
用具や施設の観点では、リーグ戦が固定日程で回る効果が大きい。単発の大会と違い、シーズンを通じて会場と観客の需要が読めるため、コート運営やスポンサーは投資計画を立てやすくなる。
日本の愛好者と関係者に何が変わるのか
このリーグが日本の愛好者にもたらす最も直接的な変化は、世界水準の団体戦を国内で観る機会が生まれることだ。個人の海外遠征を追いかけるしかなかった観戦体験が、11月には自国のコートに移る。船水という顔がチームの中心にいることで、代表的な選手を軸に応援する文化が根づきやすくなる。
指導や施設運営に関わる人にとっては、プロの試合が身近になることで教材が増える。トップ選手のポジショニングやキッチン際の攻防を生で見られれば、レッスンの説得力が上がる。かつて船水雄太が変装で潜入したモニタリング企画のように競技の知名度を上げる動きが続いてきたが、リーグ戦はその熱を継続的な観戦習慣へ変える土台になる。
選手を目指す若手には、シマブクロの1位指名が一つの基準を示した。15歳で深センのミックスを制した実績がプロチームの最高額指名につながったように、国際大会での結果がそのまま市場価値に反映される回路ができつつある。
6か国リーグがアジアの重心をさらに引き寄せる
MLPアジアの発足は、競技の重心がアジアへ寄る流れを加速させる。DUPRのデータが映すアジアの伸長では韓国・マレーシア・ベトナムの急成長が示されてきたが、そこにプロリーグという受け皿が加わることで、伸びた競技人口が「観る・稼ぐ」段階へ接続される。日本が6か国の一角として最初から入っている意味は小さくない。
ビジネスの視点では、固定日程のリーグはスポンサーや放映の交渉材料になる。単発大会より露出の設計がしやすく、地域チームというブランドは地元企業の協賛を呼び込みやすい。日本のTeam Tokyoが観客動員とスポンサー確保でどこまで数字を積めるかが、2年目以降の拡大を左右する。
開幕までに押さえておきたい日程と論点
まず日付だ。初戦は11月13日、舞台は日本。シーズンは11〜12月の約5週間で、年内に決着する。観戦を考える人は、この期間に照準を合わせて情報を追うといい。次にロースターで、船水を含むTeam Tokyoの最終的な組み合わせが固まれば、どのペアが軸になるかが見えてくる。
もう一つの論点は、日本発のプロチームが興行として続くかどうかだ。会場の規模、チケットの売れ方、地元スポンサーの顔ぶれ――これらが初シーズンの評価軸になる。競技の熱を一過性で終わらせないために、観客として足を運ぶことが最も分かりやすい支援になる。開幕戦の会場情報が公表されたら、まずは一戦、生で観てみることを勧めたい。
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本記事は以下の報道を参照した。

