米国の救急外来データを分析した研究で、子どものピックルボール負傷が推計3,011件に上り、その58.4%が2024年に集中していたことが分かった。負傷部位は顔面が最も多く、患者は男児(61.4%)と13〜17歳(57.4%)が大半を占めた。競技人口の急拡大に伴い、これまで高齢層が中心とされてきた負傷の裾野が子どもにも広がっている実態が浮かんだ。
推計3,011件、6割近くが2024年
研究チームは米国の全米電子傷害監視システム(NEISS)の2014〜2024年のデータを用い、子どものピックルボール負傷を推計3,011件と算出した。特筆すべきは、その58.4%が2024年の1年間に集中していた点だ。子どもの間でも競技が一気に広がり、それに比例して負傷が顕在化したことを示している。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 推計負傷件数 | 約3,011件 |
| 2024年の占有率 | 58.4% |
| 男児の割合 | 61.4% |
| 13〜17歳の割合 | 57.4% |
| 入院に至った割合 | 約4% |
| データ期間 | 2014〜2024年(NEISS) |
最多は顔面、次いで裂傷
負傷の種類で最も多かったのは顔面の負傷で27.1%、次いで裂傷が23.8%だった。さらに細かく見ると、顔面の裂傷(18.8%)、足首の捻挫(8.9%)、脳震盪・閉鎖性頭部外傷(6.9%)が上位を占めた。打球やパドル、転倒が顔まわりに集中しやすい子ども特有の傾向がうかがえる。
男児・思春期世代に偏り
患者の61.4%が男児で、年齢では13〜17歳が57.4%と過半を占めた。スポーツに活発に取り組む思春期世代に負傷が偏っている。一方で、より幼い子どもは裂傷を、年長の子どもは膝や肩の負傷を負いやすいという年齢ごとの違いも報告された。入院に至ったのは約4%で、多くは重症化せずに済んでいる。
NEISSデータが映す急増カーブ
この研究はNEISSという全米規模の救急傷害データベースに基づく。同じデータベースを使った別の分析でも、ピックルボール負傷全体が2014年の1,313件から2023年には24,461件へと急増しており、競技の普及と負傷件数が連動している傾向は一貫している。子どもの負傷急増も、この大きな潮流の一部に位置づけられる。
子どもの安全な普及に向けて
顔面負傷が最多という結果は、子どものプレーで打球やパドルが顔に当たるリスクが小さくないことを示す。間隔を取ったコート運用や、年齢に応じたルール・用具の配慮が、安全な裾野拡大の鍵になる。競技を子ども世代へ広げるうえで、楽しさと同時に負傷予防の視点を備えておく必要がある。
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出典:Pediatric pickleball injuries: multi-center database analysis (Am J Emerg Med) / Medscape / Pediatric Pickleball Injuries Surge in 2024

