名刺管理のSansanが立ち上げたピックルボール団体リーグ「PX LEAGUE」の出場選手が、9月17日のドラフト会議で36人に確定した。オーナーはアシックス、グローブライド、Sansan、TBSテレビ、トランスコスモス、メルカリの6社。選手は企業が自社から出したのではなく、一般公募250人の応募からドラフトで各チームに振り分けられた。開幕は10月14日の有明、池袋でのリーグ戦第1節は11月22日に始まり、2027年4月4日のプレーオフまで続く。11月から4月までは月に1回、日曜に試合が入る。
応募250人から36人、9月17日のドラフトで6チームに分かれた
PX LEAGUEは、Sansanがトッププロ育成プロジェクト「Pickleball X」第3期の取り組みとして開催する。第3期に選抜された36人がそのまま出場選手になり、企業がオーナーとして6人ずつを持つ。応募250人から36人なので、選抜倍率は単純計算で約7倍だ。
男女3人ずつの6人編成で、5種目をどう埋めるのか
チーム構成は男性3人・女性3人。種目は女子ダブルス、男子ダブルス、男子シングルス、女子シングルス、ミックスダブルスの5つで、1回の対戦で6人全員が出場すると明記されている。
ここからは発表された数値をもとにした本稿の試算だ。5種目を1試合ずつ行うとすれば、必要な枠は男子が4(男子ダブルス2+シングルス1+ミックス1)、女子も4で計8枠。チームは6人なので、男女それぞれ1人が2種目を掛け持ちする計算になる。誰を2回出すかがそのまま戦略になる。
オーナー側に用具メーカー2社、IT3社、テレビ局1社が並んだ
| チーム(オーナー企業) | 指名された選手 |
|---|---|
| ASICS Sevens(アシックス) | 黒澤陸人、羽澤未宥、野口怜莉、遠藤有菜、高橋勇貴、橋本颯太郎 |
| GLOBERIDE TEALS(グローブライド) | 吉田祐太、福原麻尋、山根稔平、西村佳奈美、堀井優那、須藤大貴 |
| Sansan Passions(Sansan) | 松田拓己、佐々野優香、松下龍馬、小桧山ほの香、津島巧、大羅夢真 |
| TBS Lucky Cats(TBSテレビ) | 坂根直樹、福永雛乃、竹内大貴、加藤叶琉、大家尚通、根本明莉 |
| transcosmos NEXUS(トランスコスモス) | 月村拓馬、猪俣莉々花、大森万由、渡邉将司、西口真央、松坂拓紀 |
| Mercari Pickleball Club(メルカリ) | 西田光貴、鳥海里帆、伊藤里菜、永井里佳、西田駿人、牧野太一 |
用具側がアシックスとグローブライド、IT・サービスがSansan、トランスコスモス、メルカリ、メディアがTBSテレビ。社員選手を抱える実業団の形ではなく、6社はチームオーナーとして名前と支援を出す立場だ。
10月14日に有明で開幕し、池袋の第1節は11月22日に始まる
日程は特別開催1回、リーグ戦5節、プレーオフ1回の計7開催日。特別開催は「バーガーキングカップ」内のコラボ企画で、会場だけ有明だ。
全7開催日を一覧で押さえる
| 区分 | 日付 | 会場 |
|---|---|---|
| 特別開催(バーガーキングカップ内) | 2026年10月14日(水) | 有明テニスの森 インドアコート |
| 第1節 | 2026年11月22日(日) | Sansanピックルボールコート池袋 |
| 第2節 | 2026年12月13日(日) | 同上 |
| 第3節 | 2027年1月17日(日) | 同上 |
| 第4節 | 2027年2月14日(日) | 同上 |
| 第5節 | 2027年3月14日(日) | 同上 |
| プレーオフ | 2027年4月4日(日) | 同上 |
第1節から第5節とプレーオフはすべて日曜で、特別開催だけが水曜。年間王者は上位3チームのプレーオフで決まる。対戦カードは今回の発表に含まれていないが、6チームが毎節そろえば1節3カード、5節で15試合になる。6チームの1回戦総当たり(6×5÷2=15)と同数なので、各チームが他5チームと1回ずつ当たる形が収まりがよい。これも本稿の試算だ。
試合の間隔は21日から35日、年末年始だけ5週空く
日付を引くと、第1節から第2節が21日、第2節から第3節が35日、以降は28日、28日、プレーオフまでが21日。年末年始をまたぐ1か所だけ5週空き、あとは3〜4週で回る。日曜の位置は第4・第2・第3・第2・第2・第1と月内でずれるが、11月から4月は月に1試合の間隔で収まっている。仕事や学業と並行して続けやすい頻度で、観戦側も月1回の日曜という目安ができる。
名刺の会社がコートを持ち、オーナー企業には何が返るのか
普及、育成、リーグ運営を1社が抱え込んだ
Sansanの関与は今回が始まりではない。同社の説明では普及活動を始めたのが2024年2月、体験イベントや企業交流会、大会運営を重ねたうえで2026年7月に自社コートを開設した。リーグはその次の一手で、同社は普及・育成・リーグ運営の三位一体という言い方をしている。
裏返すと、競技団体でも興行会社でもない事業会社が、入口づくりから育成、試合興行までを垂直に持つ構図になった。施設と選手と試合を同時に動かせるのは強い。一方で1社の事業判断が中核に置かれるため、方針が変われば36人の活動基盤も揺れる。
呼び方には揺れがある。どちらも「企業がチームオーナーとして参加する」という限定付きだが、プレスリリースは「国内初のピックルボール団体リーグ」、Pickleball Xの公式サイトは「国内初のプロリーグ」と書く。選手が公募選抜の育成プロジェクトのメンバーである点を踏まえ、本稿では団体リーグと呼ぶ。
アシックスは同じ月にリーグと無料コートの両方に名前を出した
オーナーの1社アシックスは、同じ時期に別の手も打っている。9月18日から9月27日までの10日間、日本橋の福徳の森に無料・予約不要の都市型コートを開いた(アシックスが日本橋にピックルコート、手ぶらで10日間無料開放)。リーグで競技側に、無料コートで入口側に社名が並ぶ。その運営を受託したのはPX LEAGUEのスポンサーでもあるピックルボールワンで、同社は2026年4月にアシックス・ベンチャーズから出資を受けている。スポンサー表の社名が、別の現場では資本と受託でつながっている。
スポンサー15社とパートナー8社に不動産と道路の会社が入る
支援企業はスポンサー15社、パートナー8社の計23社。三井不動産やLINEヤフーに加え、東亜道路工業や日本体育施設といった施設をつくる側の会社が並ぶ。コートの数が競技の伸びを左右する局面で、舗装や施設施工の会社が資金を出す構図だと読める。受託5兆円のケネディクスがピックルに冠、遊休空間はコートで稼げるかで扱ったとおり、遊休空間の収益化としてこの競技を見る資本もいる。
競技人口33万人のなかで出場枠は36人しかない
次の期を狙うなら、いま何を積んでおくか
国内の競技人口について、ピックルボールワンは2026年3月時点で約33万人という自社調べの数字を出している。この母数に対し出場枠は36人。選抜の入口はまだ狭い。
第4期の募集要項は今回の発表に含まれていない。それでも、男女18人ずつでシングルスとダブルスの両方を戦う編成なら、片方だけの実績では枠に届きにくいと見るのが自然だ。選考が書類から始まる以上、記録の残る公式戦の成績と、ミックスを含む複数種目の経験は用意しておきたい。主会場が池袋という点は首都圏の選手に有利で、地方には遠征コストの壁が残る。
連盟の後援が付き、MLPアジアの日本チームとは住み分けになる
PX LEAGUEには一般財団法人ピックルボール日本連盟の後援が付いた。企業が立ち上げたリーグに競技団体が名前を出した形で、単独企業のイベントとは位置づけが違う。同じ時期にもう一つの動きもある。MLPアジアの初ドラフトで日本拠点のチームが編成され、船水雄太選手が主将に就いた経緯は船水雄太が主将、MLPアジア初ドラフトで日本代表が動いたにまとめた。国際リーグの日本チームと国内企業のリーグは、狙う舞台が重なっていない。
観戦に行くなら東池袋駅から徒歩3分
池袋の主会場はインドア3面・アウトドア4面
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | Sansanピックルボールコート池袋 |
| 所在地 | 〒170-0013 東京都豊島区東池袋4-27-10 サンソウゴ池袋ビル4F |
| アクセス | 池袋駅から徒歩10分/東池袋駅から徒歩3分 |
| コート | インドア3面、アウトドア4面 |
| 営業時間 | インドア6:00〜23:00/アウトドア9:00〜21:00 |
| 定休日 | 年中無休(時短営業日あり) |
| リーグ観戦 | 各節は会場で観覧できるとされている |
インドアが朝6時から夜11時まで開くので、仕事前や仕事帰りにも入れる。10月利用分から予約システムが変わった案内が出ているので、レンタルやレッスンを申し込むなら会員登録の手順を先に確認したい。
第1節までにやっておくと観戦が面白くなること
次の一手を1つだけ挙げるなら、10月14日の特別開催を先に手帳に入れることだ。有明での「バーガーキングカップ」内コラボは、池袋でのリーグ戦が始まる前に選手が公の場に出る最初の日になる。誰がどの種目に回るかを見ておけば、11月22日の第1節から掛け持ちの見どころが分かる。出場種目や観覧の条件は主催者の告知で確認したい。
企業がチームを持ち、競技団体が後援し、施設施工の会社が資金を出す。日本のピックルボールは、愛好者の輪が広がる段階から金と人が組まれる段階に入りつつある。その入口が、月1回の日曜に置かれた。

