大阪府東大阪市のビーズ株式会社が展開するピックルボールブランド「TOCO(トコ)」が、2026年8月6日に「COURT LINE KIT」を発売した。参考価格は16,500円(税込)、重さは約2kg。8本に分かれたラインを床に置くだけで、体育館やテニスコートの一角がピックルボールのコートに変わる。専用コートが足りず、体育館の時間貸しで場所を確保している日本のプレーヤーにとって、設営の速さそのものを商品化した一本だ。
8本の独立ラインを置くだけ、採寸の反復から設営を解放
床にコートを引く手段は、これまでロール状のラインテープが主流だった。テープは1本の帯を都度カットし、寸法を測りながら貼り直す作業が発生する。COURT LINE KITは、この帯をあらかじめコートの各辺・各線の形に分割し、独立した8本のパーツにしている。メーカーの説明では「一本ずつ測って置く手間を減らして」設営でき、「基準に沿って置くだけ」でコートの形が出るという。
もう一つの訴求が「絡まらない」点だ。テープやひも状のマーカーは、収納から取り出すたびに絡んで解く時間を取られる。8本が個別のパーツになっていれば、広げる・畳むの動作が単純になる。設営と撤収の両方で時間が削れる構造だ。
ただし公式リリースは、角などを養生テープで簡易固定する形式だと明記している。まるごと「敷くだけ」で固定まで完結するわけではなく、ずれ防止のひと手間は残る。この点は誇張せず押さえておきたい。
展開時6.32m×13.63m、体育館やテニスコートにそのまま収まる寸法
展開時のサイズはW632cm×D1363cm、厚みは0.01cm。ピックルボールの公式プレーエリアは6.10m×13.41m(ネット中央の高さ86cm)で、バドミントンのダブルスコートとほぼ同じ広さだ。キットの外周は縦横それぞれ約22cm大きいだけで、公式コートの外側にわずかな余白を足した設置面に収まる。
この寸法感は、バドミントン用のラインが引かれた体育館の床や、テニスコート1面ぶんのスペースを思い浮かべると分かりやすい。テニスコートは1面でピックルボール約4面が取れる広さがあり、体育館のバドミントンコートはそのまま流用できる。収納時はW39cm×D43cm×H8cmまで畳め、約2kgを専用バッグで持ち運べる。設営のたびに巻き尺でコート全体を測り直す前提が、この携行性で崩れる。How to find courts and facilities nationwideと合わせて、手持ちのスペースをどう使うかを考えたい。
回答者の半数が公共体育館という日本で、2kgの携行性が効く理由
設営の速さがなぜ効くのか。ピックルワンが2026年に公表した市場調査では、現在の競技人口は約33万人、潜在層は約1,189万人と推計されている。同調査でプレー場所を尋ねると(複数回答)、公共体育館が49.5%、テニスコートが37.9%、専用コートは30.1%だった。多くのプレーヤーは、時間貸しの共用施設を借りて場所をやりくりしている構図だ。
共用施設は予約枠が限られ、他競技と枠を奪い合う。借りられるのが2時間なら、そのうち設営と撤収に取られる分はそのままプレー時間の目減りになる。仮にテープを1本ずつ測って貼り、終わったら剥がす作業が片道15分かかれば、往復で2時間枠の4分の1が消える計算だ。8本のパーツを置いて畳むだけで前後の作業が短くなれば、同じ枠でラリーに回せる時間が増える。TOCOが「大切なプレー時間を長く確保できる」と打ち出す裏には、この時間貸しの現実がある。日本の普及状況と今後の見通しは日本のピックルボール普及と今後の展望にまとめている。
テープ式・スポットマーカー式との違いと、16,500円という値付け
コートを即席で作る道具には、既にいくつかの型がある。1つはロール状のラインテープで、価格は抑えられる一方、粘着が消耗品で貼り直しに手間がかかる。もう1つは、コーナーや交点に置く点状のスポットマーカーで、数十個をばらまいて要所を示す方式だ。点で示すタイプはラインが連続しないため、ボールのイン・アウト判定が目視でぶれやすい。
COURT LINE KITは、連続した線を保ったままパーツを分割し、テープの貼り直しとスポットの判定しづらさの中間を埋めにいく。16,500円(税込)は使い捨てのテープより初期費用が高いが、繰り返し使える耐久品として見れば、貼り替えの手間と消耗を省く分をどう評価するかで印象が変わる。施設や愛好会が週に数回使う前提なら、1回あたりの負担は使用回数で薄まっていく。ボールやシューズを含めたthe equipment to get first and how to choose itも、導入コストを見積もる材料になる。
施設・地域イベントでの使いどころと、購入前に確かめたい点
リリースが導入メリットとして挙げるのは、常設ラインのない体育館やマルチスペースでのコート提供、他競技コートとの共存と原状復帰、体験会や地域イベントでの集客だ。学校のレクリエーションや自治体の体験会など、「まず一度やってみる」場づくりと相性がいい。TOCOはブランドコンセプトに「With Your Steps.」を掲げ、パドルやアパレルと合わせて日本国内での普及を進める方針を示す。
購入前に確かめておきたいのは床面との相性だ。固定が角の養生テープ頼みのため、滑りやすい床や風のある屋外ではずれ対策を別に考える必要がある。カラーはオレンジ、型番はTPL-101-OR。素材はリリースに記載がなく、床材によっては本番前に小さく試すのが安全だ。自分たちが使う体育館の床とラインの相性を一度確かめてから、体験会やイベントに投入したい。
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