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ファン・レークがペナンで2度目の3冠、15歳の元卓球選手が男子決勝進出

2026 10/08
トレンド 大会 海外
2026年7月29日2026年10月8日
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2026年7月26日の週末、プロピックルボールはシンガポール・マレーシア・イタリアの3拠点で同時に開催された。マレーシア・ペナンの「Leapmotor APP Asia Penang Open 2026」では、オランダのロース・ファン・レーク(Roos van Reek)が女子の3種目を独占し、約2か月で2度目のトリプルクラウンを決めた。同じ大会の男子シングルスでは、15歳で元卓球選手の中国人選手フェニックス・ヘー(Phoenix He)が決勝まで進出。欧州の選手がアジアを転戦し、別競技出身の10代が上位に進む状況は、卓球やバドミントンの競技人口を抱える日本にとって、ピックルボールの人材育成をどこから進めるのかを考える材料になる。

ペナンの大会会場を試合後に歩く女子選手と男女のパートナー
目次

ファン・レークがペナンで女子3種目を制し、2か月で2度目の3冠

ペナン大会はAPPアジアツアーの一戦で、APPが2026年にマレーシアへ入るのは2度目となる。女子はオランダのロース・ファン・レークが、シングルスで台湾のシエ・ユーチエ(Yu-chieh Hsieh)を退け、ダブルスはヴィヴィアン・グロズマン(Vivian Glozman)と、ミックスダブルスはジャック・マンロー(Jack Munro)と組んで頂点に立った。3種目すべてで金という「トリプルクラウン」は、約2か月前の別大会で同じ2人のパートナーと達成したばかりで、これが今季2度目になる。

短い期間で同じ座組みを2度成立させた点に、この結果の意味がある。シングルスの個人技だけでなく、固定パートナーとのダブルス・ミックスまで含めて勝ち切るには、連携の再現性が求められる。ヨーロッパを本拠にする選手が、アジアの大会でこの精度を出しているという事実は、ツアーの国際化が数字ではなく成績の形で表れ始めたことを示している。

男子準優勝は15歳フェニックス・ヘー、王者クアン・ズオンを最後まで追った

卓球台のある練習場でディンクのタッチを磨く10代選手

男子シングルスは、ベトナム系アメリカ人のクアン・ズオン(Quang Duong)が優勝した。その決勝で相手を務めたのが、中国出身で15歳、元卓球選手のフェニックス・ヘーである。ピックルボールを本格的に始めてまだ日が浅い10代が、アジアツアーの男子決勝に立った。

卓球からの転向という経歴は、この躍進を偶然にしない。卓球はラバーの摩擦で回転を操り、ネット際の速い交換で決着する競技だ。ピックルボールも、キッチン(ノンボレーゾーン)前のディンクと呼ばれる短い攻防で点が動く。台の上とコートの上、スケールは違っても、手首と前腕で微妙なタッチを作り、相手の回転と速度を一瞬で読む神経は共通している。ヘーの決勝進出は、その転用が10代でも通用することを見せた事例だ。

卓球・テニス・バドミントンの手が、ピックルの前衛で効く

ピックルボールは、テニス・卓球・バドミントンの中間に位置するとよく説明される。コートはバドミントンサイズ、ネットの高さはテニスに近く、パドルとボールの当たりは卓球のタッチに近い。だからこそ、これらのラケット/ラバー競技の経験者は、ゼロから始める人より入口で優位に立つ。ヘーの卓球経験、および過去に他競技出身者が上位へ食い込んできた流れは、この優位が実戦で機能することを示している。

出身競技ピックルに持ち込める強み埋める必要がある差
卓球回転の読み・微細なタッチ・速い反応横方向のフットワークと飛球距離
テニススイングの威力・コート全体のカバー・戦術眼力を抜く「ソフトなタッチ」への切り替え
バドミントン俊敏なステップ・手首のコントロール・ネット際の駆け引き地面でバウンドする球への対応

別競技で鍛えた身体知がピックルで武器になる事例は、これが初めてではない。当メディアでも、女王格の選手の強さをサッカーで培った予測力から読み解いた球が来る前に勝つ選手のサッカー脳を取り上げてきた。読みと反応の下地は、必ずしもラケット競技だけから来るわけではない。

欧州勢がアジアを転戦する2026年、APPアジアツアーが人材の交差点になる

同じ週末、シンガポールではPPAアジアの大会が、イタリア・ポルトロージュでは初開催のPPA欧州戦が並行していた。オランダのファン・レークがアジアで3冠を取り、ベトナム系のズオンが同じ大会を制す。国境をまたいで選手が動き、勝ち星を積む構図は、ツアーがアジアと欧州を1つの巡業圏に束ね始めたことを表している。この流れは以前から兆しがあり、宇都宮で開かれたAPPアジア予選と18歳スペイン王者の一戦でも、欧州の若手がアジアの舞台に立つ姿が見えていた。

選手が転戦するほど、レベルの基準は国内リーグではなく国際大会に置かれる。日本の選手や運営が「どこと戦っているのか」を測る物差しも、この巡業圏の中で決まっていく。ペナンやシンガポールの結果を国内から追う意味は、そこにある。

日本の卓球・バドミントン部活動が、ピックルの供給源になりうる

ヘーの事例を日本に引き寄せると、示唆は明確になる。日本は卓球とバドミントンを中学・高校の部活動として広く抱え、テニスの競技人口も厚い。この層は、ピックルボールにとって未開拓の人材プールである。回転とタッチを持つ卓球経験者、ステップと手首を持つバドミントン経験者、スイングと戦術眼を持つテニス経験者——それぞれが、コート横の壁を1つ越えるだけで戦力になりうる。

普及の現場でできることも具体的だ。地域のピックル教室や施設が、卓球場・バドミントン体育館・テニススクールと組んで「別競技経験者向け」の体験枠を作れば、入口の心理的ハードルは下がる。10代の育成という点では、15歳が国際舞台に立つ例を国内の若手に見せることが効力を持つ。日本でも15歳の選手が国際大会で結果を出し始めており、東京で銀2つを獲ったハワイ育成網の15歳のような事例は、年齢の壁が低いこの競技の性格を示している。卓球やバドミントンで培った手を、ペナンの決勝に立った15歳のように、ピックルボールへ持ち込む道は日本にも開かれている。

参照元

  • International Pro Pickleball Recap for July 26th Weekend(Forbes)
  • Quang Duong Headlines Stacked Penang Open As APP Asia Tour Returns to Malaysia(Pickleball News Asia)
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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜

ベトナム在住3年目のピックルボール愛好家です。高校時代はバドミントン部に所属し、シャトルを追う毎日を過ごしていました。現在はホーチミンの熱気の中、バドミントンの経験を活かしたスピーディーなボレーと、ピックルボール特有の戦略的な駆け引きにどっぷり浸かっています。現地のコート情報や、バドミントン経験者ならではの上達のコツなど、ベトナムのリアルなプレイ環境をゆるく発信していきます!

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