米メジャーリーグ・ピックルボール(MLP)の初開催となる国別対抗戦「MLP Nations Cup」が10月30日から11月1日にテキサス州ファーマーズブランチで行われる。出場する8チームのロスターが9月25日に発表され、日本の藤原里華(45歳)が「Team Asia International」の6人に選ばれた。米専門メディアThe Kitchenが報じている。

藤原里華が入ったのはグループBの「アジア国際選抜」
チームメイトは中国・マレーシア・ベトナム・香港・フィリピンの5人
Team Asia Internationalの6人は、藤原里華(日本)、Lingwei Kong(中国)、Jimmy Liong(マレーシア)、Hien Truong(ベトナム)、Jack Wong(香港、中国)、Macy Ybanez(フィリピン)。主将はMadeleine Lim。6つの国・地域から1人ずつという並びだ。
大会は8チームを2グループに分けて行われる。藤原のチームはグループBで、同組はオーストラリア、ヨーロッパ東、ラテンアメリカ。金曜と土曜にグループ内の総当たり、日曜に一発勝負のトーナメントという組み立てになっている。
アメリカもカナダも同じ組にはいない
グループAに回ったのは、アジア国内選抜、ヨーロッパ西、カナダ、アメリカの4チーム。男子のWPR(PPAの直近52週のポイントを種目横断で合成した順位)で首位のBen Johnsと9位のCJ Klingerを抱えるTeam USAと当たるのは、勝ち上がった日曜以降になる。ただしグループBが軽い組というわけでもない。ヨーロッパ東には男子WPR7位のAndrei Daescu、ラテンアメリカには8位のEric Oncinsがいて、この2チームとは金土の総当たりで必ず当たる。
| グループ | チーム | 主将 |
|---|---|---|
| A | Asia Domestic(アジア国内選抜) | Geoffrey Nguyen / Jeff Tsao |
| A | Europe – West | Chris Cantino |
| A | Canada | Steve Deakin |
| A | USA | Johnny Goldberg |
| B | Asia International(アジア国際選抜) | Madeleine Lim |
| B | Australia | Sange Carter |
| B | Europe – East | Caleb Garrard |
| B | Latin America | Juan Manuel Benitez |
アジアだけ2チーム、しかも中国とベトナムは両方に名前がある
「国内」と「国際」の線引きは国籍では説明がつかない
8チームのうち、アジアだけが2枠を持っている。もう一方のTeam Asia Domesticは、Augie Ge(中国)、Milan Rane(インド)、Jonathan Truong(ベトナム)、Zoey Wang(チャイニーズタイペイ)、Jamie Wei(チャイニーズタイペイ)、Len Yang(中国)の6人。主将はGeoffrey NguyenとJeff Tsaoの2人体制だ。
引っかかるのは、中国とベトナムの選手が両チームに散っていることだ。国籍で分けたのなら起きない配置だが、発表されたのはロスターと主将、日程と方式まで。拠点なのか所属リーグなのか、振り分けの基準は明かされていない。
アジア同士の対戦は日曜まで起きない
2つのアジアチームがA・Bに分かれた結果、両者が当たるとすれば、日曜の一発勝負に双方が進んだときだけだ。
ベトナムに2人が分かれて入っている点は、ダナンで開かれたワールドカップで開催国が金106個を積み上げたときの層の厚さと重なる。
テニスでWTA13位まで行った選手が、ピックルボールで何位にいるか

クアラルンプールで3連勝してから止まった
藤原は1981年9月19日生まれの45歳、身長154cm、右利き。テニスではWTAツアーでダブルス13位(2002年11月)、シングルス84位(2005年8月)まで上がり、2020年3月に引退を発表している。パドルを持つ藤原がこのテニス選手と同一人物であることは、Pickleball.comが2025年11月の記事で、WTAでその順位に達したあとアジアとオーストラリアの大会に出続けている選手として藤原を紹介していることによって確認される。
9月10日から12日にかけて行われたPPA Asia 1000 Leapmotor Kuala Lumpur Cupの女子シングルスでは、3試合を勝ち上がったあと4戦目で敗れている。相手のBrooke Bucknerはこの大会で銀メダルを獲っている。3戦目のChao Yi Wangは、8月の深センオープン決勝で藤原を破って金を持っていった相手で、3ゲームの末に借りを返した形になった。
| 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|
| 9月10日 | Yunqi He | 11-5 / 11-2 | 勝ち |
| 9月11日 | Sophia Phuong Anh Tran | 11-8 / 11-9 | 勝ち |
| 9月11日 | Chao Yi Wang | 11-7 / 3-11 / 11-9 | 勝ち |
| 9月12日 | Brooke Buckner | 7-11 / 5-11 | 負け |
ポイントの積み上がり方はシングルスに寄っている
Pickleball.comが9月25日時点で表示しているPPAのポイント順位は、シングルスが2,200点で15位、女子ダブルスが925点で83位、ミックスダブルスが225点で116位。テニス出身の単打の強さが数字に出ている。
Nations Cupの種目構成は、MLPの告知では明らかにされていない。単打に寄った選手をどこで使うかも、発表を待つしかない。
これは日本が選んで送り出した「日本代表」ではない
MLPアジアのTeam Tokyoとは別の話
混同されやすいのだが、今回の枠組みは国ではなく地域の単位で組まれている。ロスターを発表したのもMLPで、日本の競技団体が代表を選んで送り出す構造ではない。9月14日に終わったMLPアジアの初ドラフトで船水雄太が主将となったTeam Tokyoは、日本というフランチャイズを持つリーグのチームで、11月13日の日本開幕を控えている。同じMLPの名前がついていても、選ばれ方も戦う相手も別だ。
藤原の場合、日本から選出されたというより、アジア地域の6枠に個人として入った、と読むほうが実態に近い。その差は、次に日本の選手が同じ舞台に立つための道筋を左右する。
「日本から誰が出るか」を決めているのは国内ではない
選考の基準は公表されていない。はっきりしているのは移動距離のほうだ。9月10〜12日のクアラルンプール、10月13〜18日のブリスベン(PPA1500)、そして10月末のダラスと、藤原がこの2か月で名前を載せている大会はすべて国外にある。
国内のプレー人口は伸びている。成長率の上位10か国がすべてアジアで、日本も上位に入っている一方で、裾野の広がりと国際舞台への出口は別々に動いている。出口を増やすには、国内で強い選手をつくるのとは違う投資がいる。
10月30日から3日間、ダラス郊外で何が行われるか
日程・会場・時差
Nations Cupの3日間が終わると、同じBrookhaven Country Clubで11月2日から8日までアマチュアを含む本戦が続く。このOpenDoor Pickleball World Championshipsの本戦エントリー費は115ドル、登録者は2,100人を超えている(Pickleball.comの大会ページ、9月25日時点)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会名 | MLP Nations Cup(初開催) |
| 日程 | 2026年10月30日(金)〜11月1日(日) |
| 会場 | Brookhaven Country Club(米テキサス州ファーマーズブランチ) |
| 方式 | 金・土=グループ総当たり、日=シングルエリミネーション |
| 出場 | 8チーム(2グループ×4) |
| 日本関係 | 藤原里華(Team Asia International・グループB) |
| 時差 | 10月30〜31日は日本が14時間先行、夏時間が終わる11月1日は15時間 |
| 後続 | 11月2日〜8日に本戦(同会場) |
日本から追うときに押さえること
10月31日はハロウィン当日にあたり、主催側も週末のファン向け演出を打ち出している。現地の午前9時は日本時間で同じ日の23時、現地の午後の試合は日本では翌日の未明になる。ライブで追うなら深夜帯の覚悟がいる。
米The Kitchenは国別対抗戦として紹介し、前年のWorldsが観客動員・参加者数・視聴数で記録を更新したと伝えている。
次に見ておくなら、金曜のグループB初戦
3日間の結果そのものより、この枠組みが来年も続くのか、続くならアジア国際選抜の6枠に日本がいくつ入れるのかを見ておきたい。
取れる行動は1つだ。公式サイトで10月30日金曜のグループBの組み合わせ発表を待ち、日本時間での放送枠を確認しておくことだ。
この記事で確認した資料
- Rosters and captains announced for first-ever MLP Nations Cup(The Kitchen、2026年9月25日)
- 2026 Opendoor Pickleball World Championships 公式サイト
- Major League Pickleball 公式サイト
- Rika Fujiwara 選手プロフィール・大会結果(Pickleball.com)
- 3 things to watch for on Thursday at PPA Worlds(Pickleball.com、2025年11月6日)
- 藤原里華(日本語版ウィキペディア/生年月日・WTA自己最高位・引退時期)

