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ヨットの隣でスマッシュ──米リゾートが「水上に浮かぶコート」を開業

2026 7/01
コート トレンド 海外
2026年6月30日2026年7月1日
当ページのリンクには広告が含まれています。

スーパーヨットが係留されたマリーナの水面に、固定式のピックルボールコートが現れた。米フロリダ州フォートローダーデールの高級リゾート「Pier Sixty-Six」が、約10億ドルの再開発の目玉として水上コートを開業した(2026年6月29日報道)。試合後には冷たいおしぼりで汗を拭ける配慮まである。コートを「競技の場」から「滞在体験の一部」へと引き上げる動きは、施設の高付加価値化を探る日本のホテル・リゾート・コート運営者にとって参考になる。

目次

水上に固定された、フルサイズの一面

コートはインターコースタル・ウォーターウェイ(内陸水路)に面したマリーナに設置され、しっかりとアンカー固定された安定的なプラットフォーム上にフルサイズの競技面を備える。利用は1時間60ドル(約9,600円、1ドル≈160円で換算、最大4人まで)、延長は30分ごとに30ドル(約4,800円)。営業は毎日9〜20時で、パドル・ボール・ボトル飲料が含まれる。

そして特徴的なのが、試合後に提供される「冷たいおしぼり」だ。クールダウンのためのこの心遣いは、日本では当たり前でも、欧米の体験設計に取り込まれると新鮮な発見になる。

項目内容(円換算)
料金(1時間・最大4人)60ドル(約9,600円)
延長(30分ごと)30ドル(約4,800円)
営業時間毎日9〜20時
含まれるものパドル・ボール・ボトル飲料・冷たいおしぼり
立地マリーナの水上(アンカー固定)
プール利用別途デイパスが必要(コート料金に含まれない)

10億ドル再開発が生んだ「体験の器」

Pier Sixty-Sixは約10億ドルを投じた再開発を経て生まれ変わった。敷地は32エーカー、客室・スイートは325室、マリーナは全長400フィート級のスーパーヨットを受け入れる。さらに約13,000平方フィートのスパ、複数のプール、12のレストラン&バーを備える。水上ピックルボールコートは、この「体験の器」のなかの新しい目玉として位置づけられている。

コートはスキルを問わず誰でも歓迎する設計で、「熟練のプレーヤーでも、ちょっと試したいだけの人でも」を掲げる。競技志向だけでなく、宿泊客の遊びの選択肢として開かれている点が、リゾート併設コートの肝だ。

体験型コートが選ばれる理由

ピックルボールは用具が軽く、初心者でもすぐ打ち合える間口の広さが魅力だ。だからこそ「絶景の水上で、手ぶらで、短時間」という体験は、リゾートの滞在価値と相性がいい。プレー自体が目的の競技者だけでなく、「思い出に残る非日常」を求める層を取り込める。

世界の高級リゾート・ホテルがコート導入を進める流れは鮮明だ。米国では大型施設投資が別次元に入り(関連記事)、体験の差別化として「どこで打つか」が問われ始めている。

日本の読者・施設運営者への示唆

日本でも、リゾートやホテルがピックルボールを「滞在の付加価値」として商品化する動きが出ている。クラブメッド・トマムのコート併設(関連記事)や、ヒルトン東京の屋上ビアガーデンとの掛け合わせ(関連記事)は、その先行例だ。

Pier Sixty-Sixの事例が示すのは、コートの「立地そのものを体験に変える」という発想だ。海・川・屋上・庭園など、その施設にしかないロケーションにコートを置けば、単なる運動施設が「写真に撮りたくなる体験」へと変わる。手ぶらで遊べるパッケージ化(用具・飲料込み)と、おしぼりのような細やかなホスピタリティを組み合わせれば、単価と満足度の両立が見込める。

日本の温泉旅館やビーチリゾート、都市部のルーフトップは、いずれも「ここでしか打てない一面」を作れる素地がある。競技人口の拡大を待つだけでなく、非競技層を呼び込む体験設計が、施設側の新たな収益源になり得る。

まとめ

水上に固定されたフルサイズコートと、試合後のおしぼり。Pier Sixty-Sixの試みは、ピックルボールが「競技」から「体験」へと広がる象徴だ。立地を体験に変え、手ぶらで楽しめるパッケージと細やかなもてなしを足す──この設計思想は、コートの新設や高付加価値化を考える日本の施設運営者にとって、すぐに応用できるヒントになる。

世界で加速する「リゾート×ピックルボール」

Pier Sixty-Sixの水上コートは突出した事例だが、背景には高級リゾート・ホテルがピックルボールを滞在価値の一部として取り込む世界的な潮流がある。用具が軽く、初心者でもすぐ打ち合える間口の広さは、宿泊客の「ちょっと遊ぶ」需要と相性がいい。プールやスパと並ぶ「館内アクティビティ」として、コートを位置づける施設が増えている。

収益設計の観点でも示唆がある。1時間60ドル・最大4人という料金は、コートという固定資産から時間貸しで継続収益を生む。用具・飲料込みのパッケージにすれば客単価を上げつつ、手ぶらで来られる手軽さで稼働率も確保できる。日本の施設運営者にとっては、「会員制で埋める」発想に加えて、宿泊・日帰り客に向けた体験型の時間貸しという、もう一つの収益モデルを示している。立地そのものを売りにできるロケーションを持つ施設ほど、この手法は効く。

参照元

Time Out Miami: A floating pickleball court just opened in Fort Lauderdale

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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜

ベトナム在住3年目のピックルボール愛好家です。高校時代はバドミントン部に所属し、シャトルを追う毎日を過ごしていました。現在はホーチミンの熱気の中、バドミントンの経験を活かしたスピーディーなボレーと、ピックルボール特有の戦略的な駆け引きにどっぷり浸かっています。現地のコート情報や、バドミントン経験者ならではの上達のコツなど、ベトナムのリアルなプレイ環境をゆるく発信していきます!

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