ベトナムに来たばかりの人からよく聞かれるのが、「知り合いがいないけど、どうやって打つ相手を見つけるのか」という質問だ。結論から書くと、ホーチミンでは一人でコートに行っても、だいたい打つ相手が見つかる。私自身、身内だけで固まっていた時期より、外に出るようになってからのほうが打つ回数も相手の幅も増えた。打つ相手に出会う入口は大きく3つで、そのうえで、コートに行く前の下調べに使えるオンラインの場がある。
いちばん確実なのは、ソーシャルに申し込むこと
ソーシャルというのは、ピックルボールの交流会のことだ。ホーチミンでは毎日どこかで開かれていて、私が参加してきた範囲では1回あたり10人から30人くらいが集まる。知らない人同士でペアを組み替えながら回していくので、一人で申し込んでも浮かない。
これだけ毎日開けるのは、単純にコートとプレーヤーが増え続けているからだ。ホーチミン市内のコート施設は1,000か所規模まで増えていて、主催する側からすると会場を確保しやすい。参加する側も、平日の夜に「今日どこか空いていないか」で探せば何かしら見つかる。日本で同じレベル帯の相手を安定して集めようとすると人数の壁にぶつかるが、ここではその壁が低い。
募集はReclubに集まっている
申し込みはReclubというアプリからが主流だ。ホーチミン周辺のコミュニティには数十のクラブが並んでいて、大きいところは会員が8,000人を超える。日付と時間、会場、料金、レベル条件が一覧で出るので、その日の予定に合う枠を選んで押さえる形になる。Zaloでコートと直接やり取りする方法はZalo reservation articleにまとめてあるが、ソーシャル探しに関してはReclubを見るのがいちばん早い。
レベル条件は先に確認しておく
枠によっては参加レベルが指定されている。DUPRで2.5以上、3.0以上、3.5以上と枠ごとに下限が違い、条件を満たさない場合はホストの判断で受け入れるかどうかが決まる運用が多い。始めたばかりなら条件なしの枠から入ればいいし、腕試しをしたいなら上の枠に申し込む手もある。このあたりの温度差はベトナム人プレーヤーの印象に書いたとおりで、スコアが付く枠かどうかで空気がかなり変わる。
コートで声をかけられることが、普通にある
2つめは、その場で誘われるパターンだ。ベトナムのコートは全体に開放的で、隣のコートの人と会話が始まることがよくある。いちばん多いのは「人数が足りない」ときだ。ダブルスは4人でやるので、3人しかいないグループはもう1人を探している。近くで打っていれば、そこで声がかかる。
私はこれで何度か混ぜてもらった。その日限りで終わることもあるが、気が合えば次回以降も一緒にやろうという話になる。狙って起こせるものではないけれど、一人でコートにいる時間が長いほど、この確率は上がる。行ったら黙って帰る、をやめるだけで景色が変わる。声のかけ方や順番待ちの作法はコートのマナーの記事にまとめてある。
スコアのかかったゲームで組んだ相手と続く
3つめが、DUPRの付くゲームだ。私が参加しているものは8人程度で2時間ほど回す形式で、ペアを替えながら進んでいく。真剣勝負なので和やかとは言いにくいのだが、同じチームで競った相手とは、終わったあとに妙に距離が縮まる。
レベルが近い人が集まっている枠なので、そこで知り合った相手はその後も練習相手として続きやすい。純粋に楽しく打ちたいだけならソーシャル、練習相手を見つけたいならスコアの付く枠、という使い分けが私の中ではできている。
つながるかどうかは、その場で決まる
一緒に打った全員と続くわけではない。次につながるのは、意気投合した相手とその場で連絡先を交わせたときだ。ベトナムでの連絡はZaloが基本なので、交換するものもだいたいZaloになる。気が合ったと思ったら、コートを出る前に済ませておく。あとから探そうとしても、ソーシャルは毎回顔ぶれが変わるので、同じ相手に再会できるとは限らない。
| 入口 | 出会い方 | Who It's Suited To |
|---|---|---|
| ソーシャル(Reclub) | 申し込めば確実。毎回顔ぶれが変わる | 来たばかりで知り合いがいない人 |
| コートで声をかけられる | 偶然。人数が足りないときに誘われる | 決まったコートに通っている人 |
| スコアの付く枠 | レベルの近い人が集まる | 練習相手を探している人 |
コート脇メモ:申し込む前に見ておく3点
同じ「ソーシャル」でも中身は枠ごとに違う。募集ページで見ておきたいのは、レベル条件(DUPRの下限が付いているか)、スコアの扱い(DUPRに登録するのか、ただのゲームなのか)、そして定員と時間の3つ。この3つが分かっていれば、行ってから「思っていたのと違う」となることはほぼ無くなる。特にスコアの扱いは、その日の疲れ方がまるで変わるので先に確認しておきたい。
コートに行く前に、どこを見ておくか
コートに行く前の情報収集としては、Facebookのコミュニティが大きい。「Pickleball Saigon」という公開グループは2026年8月時点で4万5,000人を超えていて、コートの情報や大会、ソーシャルの募集が流れてくる。ホーチミンで打つ場所を探すだけならここを眺めるだけでもかなり分かる。
加えて、ベトナムでの連絡はZaloが基本になる。コートのグループやクラブのグループがZalo上にあることも多く、一度どこかのソーシャルに参加すると招待してもらえることがある。最初の1回に行きさえすれば、そこから先は自動的につながっていくというのが実感だ。
まずは打つ場所から。エリアと条件でコートを探せます。
Summary
仲間を作ろうとして構える必要はなくて、ソーシャルにひとつ申し込むか、一人でコートに行って少し長めにいるだけでいい。ベトナムはコートの数もソーシャルの数も増えている最中なので、入口はいくらでもある。難しいのは見つけることではなく、最初の1回に申し込むところだけだと思っている。
エリアごとのコートの違いはホーチミンのコート事情に、雨季の立ち回りはPlaying in the Rainy Seasonに、道具を現地でそろえる話はパドルのショップガイドにまとめてある。
(文・小島怜/ベトナム在住)
