米国100大都市のピックルボールコート増加率が、2024年の14%、2025年の13%から、2026年は4%へ鈍化した——Axiosが紹介したこの数字だけを見ると、ブームが終わったように感じます。ただし、増加率の低下と市場の縮小は同じではありません。
このページでは元記事の要約ではなく、数字の母集団、累積成長、地域差という3つの視点から読み直します。Axios報道の内容そのものは、米主要都市のコート増加率に関するニュース記事.
数値は2026年9月26日時点で確認した公開情報に基づきます。
4%は「減少」ではなく「増加の減速」
2026年もコート数は前年より増えています。Axiosが報じた対象は、米国の人口上位100都市にある公園内コートで、合計3,765面。2017年比では約900%増とされています。
したがって、4%という数字が示すのは、コートが減ったことではなく、過去数年の急増と比べて新設ペースが落ちたことです。成熟した市場では、母数が大きくなるほど同じ面数を追加しても増加率は下がります。
100大都市だけでは全米需要を言い切れない
この集計は比較しやすい一方、郊外、民間クラブ、学校、住宅コミュニティなどをすべて網羅する指標ではありません。大都市中心部では用地と予算が限られ、住宅近接地では騒音問題もあります。需要が残っていても、公営コートの新設が進まない場合があります。
実際、Axiosはコロラド州Highlands Ranchで、2026年に19面の複合施設が開業し、ユースキャンプ、初心者教室、リーグ参加が前年より伸びた例も報じています。全国平均の鈍化と、特定地域の拡大は同時に起こり得ます。
「ブーム終了」を判断するなら見るべき指標
- 稼働率:作られたコートが実際にどれだけ使われているか
- 予約待ち:ピーク時間帯に需要が供給を上回っているか
- Participants:競技人口や初心者教室の参加が増えているか
- 民間投資:屋内クラブや複合施設の出店が続いているか
- 閉鎖・転用:新設だけでなく、閉鎖や別用途への変更がどれだけあるか
コート数だけでは、1面あたりの利用者数や民間施設への移行を捉えられません。反対に、参加者数だけでは混雑や施設不足を見落とします。複数の指標を合わせる必要があります。
日本への示唆
日本で米国の14%から4%という数字をそのまま需要予測に使うのは危険です。日本は常設専用コート、体育館の運用、既存テニスコートとの併用など、供給構造が異なります。
施設運営者にとって重要なのは、急成長を前提に大きく作ることより、予約率、継続率、時間帯別の需要を測りながら増設することです。米国の減速は「もう遅い」というサインではなく、量だけでなく運営品質が問われる段階へ移った可能性を示します。
Summary
米100大都市のコート増加率4%は、ブームの勢いが落ち着いた証拠にはなりますが、市場全体の縮小を直接示す数字ではありません。累積では2017年から大幅に増え、郊外で伸びる地域もあります。「終わったか」ではなく、「どこで、どの供給形態が伸びているか」を見るほうが実態に近づきます。
