英国のコートスポーツ予約アプリ「PLINKY PLONK」が、主催者向け機能で記録した試合結果をDUPRへ送る連携を公開した。対象はFixtures(固定メンバーの定例会)、Round Robins、Quickfire Tournaments、Leagues & Box Leagues、Laddersの5形式。創業者のWayne Cohn氏は発表文で「ほとんどの人は大会に出ない。火曜の夜に仲間3人と打つだけだ。これでその試合が意味を持つ」と述べている。日本のクラブ運営者に効くのは会場数ではなく、誰が点数を確定させるかという手順の置き方だ。

火曜夜のボックスリーグが、大会と同じ扱いでレートに乗る
送信できるのはOrganise配下の5形式
PLINKY PLONKのOrganiseは、固定メンバーの週次セッション、総当たり、1晩で終えるトーナメント、リーグとボックスリーグ、ラダーの5本立てだ。PLINKY PLONK側の告知(2026年9月18日付)は、この5形式のどれで記録したスコアもDUPRへ送られると書く。DUPR側の告知(9月25日付)は書き分けが違い、スコアを送るのはラウンドロビン、リーグ&ボックスリーグ、ラダーの3形式で、Fixturesは参加条件の設定、Quickfireはプール分けへのレート利用と説明する。どちらも例に出すのは「ケントの火曜夜のボックスリーグ」で、大会の試合と同じようにレーティングへ効く、という書き方だ。
連携はDUPRのホスト型ログインを経由する。PLINKY PLONKの中でDUPRにサインインし、パスワードはPLINKY PLONK側に渡らない。解除は本人の設定画面からできる。レーティングはDUPRから押し出され、最終更新日つきでダッシュボードに出る。
主催者はDUPR+の保有を参加条件にできる
粒度が違うのはここだ。PLINKY PLONK側の発表には、イベントをStandardとDUPR+の2段階で設定できると書かれている。Standardは連携済みのDUPRアカウントなら誰でも入れるが、DUPR+に設定した回は有料会員であることが条件になり、参加前にDUPR側へ実際の権利を照会する。条件が足りないときは何が不足しているかも表示する。DUPR側の告知は「主催者がDUPRのメンバーシップ水準を参加条件にできる」とまとめるだけで、この照会には触れていない。両方開かないと読み落ちる部分だ。
会場一覧のカウントは毎晩変わり、発表時点で値が異なった
会場数は自動収集で動く数字、連携対象ではない
DUPRの告知は「177会場(2026年9月23日時点のライブ値)」と書く。一方でPLINKY PLONK自身の発表ページは「165会場」とし、会場数はディレクトリから直接取った変動値だと注記する。会場一覧ページは毎晩自動で会場を発見すると明記しており、本稿の確認時点(2026年9月26日)のカウンタも165だった。177は特定日のスナップショットで、DUPR連携が及ぶ範囲を示す数字ではない。
165件の内訳はテニスが130件、ピックルボールは20件
一覧ページを取得して1件ずつ数えると、テニス130件、ピックルボール20件、パデル15件で165件になる。状態別では未請求の自動掲載が146件、認証済みパートナーが14件、請求済みが5件だ。認証済み14件のうち5件は同一のテニス運営(Infinity Tennis)が持つ各コートで、ピックルボール側はケントのAll4Pickleball関連が中心、1件は社内テスト用の登録として並んでいる。
177も165も「予約を受け付けている会場」の数ではなく、地図に載った施設の数だ。DUPR連携が動くのは主催者が立てるセッションの側で、会場数とは別の軸になる。
| 項目 | 発表・掲載の値 | 確認したこと |
|---|---|---|
| 会場数 | DUPR側 177/PLINKY PLONK側 165 | 一覧ページのカウンタも165(2026年9月26日) |
| 165件の競技別 | 記載なし | テニス130・ピックルボール20・パデル15 |
| 165件の状態別 | 記載なし | 未請求146・認証済み14・請求済み5 |
| DUPR送信の対象 | 英国側は5形式/DUPR側は3形式 | 発表文で記述が違う |
| スコア確定の人数 | 2人 | 両社の発表文で一致 |
| DUPR+の会費 | 未確認 | 金額を示す公開ページに到達できず |
点数は相手が確認するまでDUPRへ渡らない
2人の確認を必須にしたのは英国側の運用
両社の発表文が同じ条件を置いている。スコアは1人の言い分だけではDUPRに届かず、ネットの向こう側の誰かが確認してから渡る。どちらのプレーヤーも確認の代わりに結果へ異議を立てられ、その場合の送り先はDUPRではなくPLINKY PLONKのチームで、社内レビューに回る。
DUPRの側はクラブ経由の試合に承認を求めていない
差分が出るのはこの点だ。当サイトで9月25日に扱ったフィリピンの予約プラットフォームInstaCourtsとDUPRの連携では、クラブ経由で送られた試合は相手の承認を経ずにDUPRが有効化する扱いだと確認している。PLINKY PLONKはその枠に乗りながら、送信前の相互確認を自分の側で挟む形にした。順番待ちで相手が入れ替わるオープンプレーと、主催者が形式を決めるセッションでは、確認を取れる相手が固定されているかが違う。
創業者が火曜夜にこだわる出発点は、施錠されたコートだった
仲間3人とパドル4本で行き場がなかった夜

同社のAboutページによると、Wayne Cohn氏はケントのピックルボールコートに火曜夜、仲間3人とパドル4本を持って現れたが、公営コートは施錠され、私営クラブは会員権が必要で、予約できる最寄りのコートは40分先だった。その冬に1時間圏内のコートを並べた表を作り、そこからアプリに仕立てたと書かれている。冒頭の発言は、この夜の言い直しに読める。
現場の推薦文はレートより「枠が埋まるか」を見ている
DUPRのCEO Tito Machado氏は発表文で、英国の伸びの多くはクラブナイトとローカルリーグで起きており、そこがレーティングに反映されれば精度とマッチングが上がると述べている。一方、同社サイトに掲載された推薦文では、All4Pickleballの創設コーチパートナーSheena MacLean-Bell氏が、セッションを埋めるのに一番やりやすい方法だと評している。レーティングの精度より先に、今週の枠が埋まるかどうかが運営の関心事として出ている。
日本のクラブが先に真似られるのは料金でなく記録の残し方
1人1セッションで売る英国、1面1時間で売る日本
売り方の単位が違う。PLINKY PLONKに載るAll4Pickleballは1セッション£10から、London Tech Pickleballは£12からと表示している(2026年9月26日閲覧)。£1=208.84円(ECB参考相場、2026年9月25日)で約2,090円と約2,510円だ。国内の豊洲のPICKLEBALL PARK TOYOSUは1面1時間の貸切で平日昼6,000円(税込)。前者は1人あたり1セッション、後者はコート1面あたり1時間なので、段階が違う数字として並べるだけにして倍率は出さない。
| 比較軸 | PLINKY PLONK(英国) | 参照した国内の例 |
|---|---|---|
| 課金の単位 | 1人あたり1セッション | コート1面あたり1時間 |
| 表示価格 | £10〜£12(約2,090〜2,510円) | 平日昼6,000円(税込・豊洲) |
| プレーヤーの予約手数料 | 0% | 掲載施設ごとに異なる |
| 会場側の手数料 | 標準10%、創業期パートナーは12か月5% | ― |
| 主催機能の利用料 | 無料 | ― |
手数料の水準はAboutページに明示がある。Organiseページは名簿・キャンセル待ち・リマインダーを引き受け、主催そのものは無料と書く。
形式を言い切って告知する運営が、後から連携を足せる
日本でDUPRを使う練習会が増えても、その日の会が定例会なのかボックスリーグなのかラダーなのかが決まっていなければ、送れる形の結果は残らない。レンタルスペース側の調査では、ピックルボールへの関心は有効回答231名のうち6%(14人前後)で、掲載者が「ピックルボール対応」と書き始めた段階にある。会場の供給がこれから動く局面だからこそ、形式とスコアシートの型を先に決めた運営が、連携が来たときに後から乗せられる。
英国で次に数えるべきは会場数ではなく公開セッション数
PLINKY PLONKのOrganiseは形式ごとに公開一覧を持ち、誰でも中身を見られる。発表が運用に変わったかは、会場数ではなくボックスリーグやラダーの公開本数で見える。1か月後に同じページを数えれば、177や165という数字に頼らず判断できる。
国内の主催者が明日からできることを1つに絞るなら、次の練習会を「総当たり」か「ボックスリーグ」のどちらかに言い切って告知し、対戦組み合わせと点数を1枚に残すことだ。DUPRを使うかどうかに関係なく、形式が決まった記録は後から連携先に渡せる。
参照した記事・資料
- PLINKY PLONK and DUPR: ratings, live in every format(DUPR、2026年9月25日)
- PLINKY PLONK and DUPR: Ratings, Live in Every Format(PLINKY PLONK、2026年9月18日)
- Venues|PLINKY PLONK · UK pickleball court directory
- About PLINKY PLONK: The UK’s court-sports marketplace
- Organise a game|PLINKY PLONK
- GBP/JPY参考相場(欧州中央銀行レート、2026年9月25日)

