広告大手の電通グループが、ピックルボール事業者への出資に動いた。横断組織「電通スポーツ&エンターテインメント(電通S&E)」を通じて、コート運営などを手がける株式会社ピックルボールワンに資本参加する。同社の資金調達には、電通を含む国内大手5社が参加。用品、メディア、不動産といった異なる事業領域から支援する構図が特徴だ。
電通S&Eがピックルボールワンに出資
出資したのは株式会社電通グループ。グループ横断のイニシアティブである電通S&Eを通じて、株式会社ピックルボールワン(東京都千代田区内幸町、設立2023年7月、代表取締役・熊倉周作氏)へ資本参加した。ピックルボールワンはコート運営、イベント企画・運営、メディア運営、ショップ運営を手がける事業者だ。
大手5社が顔を揃える連携
ピックルボールワンの今回の資金調達では、電通グループのほか、アシックス・ベンチャーズ、Sansan、TBSイノベーション・パートナーズ、三井不動産が連携する。用品・名刺管理・メディア・不動産と、異なる強みを持つ大手が顔を揃え、日本のピックルボール産業の基盤づくりに参加する。
連携する5社と狙い
| 企業 | 領域 |
|---|---|
| 電通グループ(電通S&E) | スポーツマーケティング・普及支援 |
| アシックス・ベンチャーズ | スポーツ用品・投資 |
| Sansan | 法人向けサービス |
| TBSイノベーション・パートナーズ | メディア・投資 |
| 三井不動産 | 不動産・拠点整備 |
普及から市場創出まで一貫支援
電通S&Eは、培ってきたスポーツマーケティングの知見を活かし、競技の普及・ファンベースの構築・競技価値の向上を支援する。出資各社の連携により、都市部のコート拠点整備、企業や個人のコミュニティ形成、競技環境の充実、メディアによる認知拡大、用品販売の強化といった領域が、従来のような点的な投資ではなく、一つの事業者を中心に面的に進められる。
読者への影響
これまでピックルボール関連の事業は、複数の企業による個別の投資に留まることが多かった。今回、大手5社による資本と連携がコート運営事業に集中することで、実質的な変化が生じる。コート新設のペース加速、大会運営の質向上、競技用品の流通拡大、テレビやネットメディアでの認知拡大といった領域が同時進行する環境が整った。競技に初めて接する入口が増え、継続的に楽しむための環境が並行して整備されることになる。
まとめ
広告・用品・不動産・メディアの大手が一つのピックルボール事業者への出資で連携することは、同市場を本格的な産業として捉える判断を示している。複数企業による資本と事業ノウハウの流入は、市場全体の体制整備を加速させるだろう。

