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教会がコートに!ケベックの廃教会活用術

2026 4/11
コート
カナダ
2026年3月24日2026年4月11日
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この記事の要約
カナダ・ケベック州で、かつての教会がピックルボールコートとして再活用される動きが起きている。CBCが2026年3月に報道。1960年代の世俗化以降に維持困難となった約2,800の教会のうち、天井の高い身廊を活用してコミュニティクラブが月単位で借り受けている。

カナダ・ケベック州に、いまちょっとユニークなムーブメントが起きている。かつて地域の中心だった教会が、ピックルボールコートとして新たな命を吹き込まれているのだ。CBC(カナダ放送協会)が2026年3月に報じたこの動きは、スポーツ界だけでなく文化財保護の観点からも大きな注目を集めている。

目次

なぜケベック州の教会が存続の危機に?

ケベック州はカナダの中でも特にフランス系カトリックの文化が根付いた地域だ。20世紀半ばまで、教会は礼拝だけでなく学校・病院・コミュニティセンターとしての機能を担い、地域生活の核だった。ところが1960年代の「静かな革命」以降、急速に世俗化が進み、ミサへの参加者は激減。現在、州内には約2,800の教会が存在するものの、多くが維持費を賄えず閉鎖や売却を余儀なくされている。

石造りや木造の壮麗な建築は歴史的・文化的価値が高い一方、暖房費や修繕費が膨大にかかる。取り壊すには惜しく、放置すれば劣化するという「負の遺産」になりかねないジレンマを多くの自治体が抱えている。

教会がピックルボールコートに変わる理由

そこに目をつけたのが、地域のピックルボール愛好家たちだ。教会の身廊(ネイヴ)は、天井が高く、床面積も広い。ピックルボールコート1面は約13.4m×6.1mと、バドミントンコートとほぼ同じサイズ。多くの教会の内部空間には、複数面を並べて設置できる余裕がある。

実際にケベック州内のいくつかの教会では、木製の長椅子(ペンチ)を撤去し、床にラインを引いてコートを整備。地域のピックルボールクラブが月単位で建物を借り受け、維持費の一部を賄うスキームが生まれている。教会側にとっては収入源となり、プレーヤーにとっては屋内コートが確保できる。双方にメリットがある「ウィン・ウィン」の関係だ。

さらに重要なのは、ピックルボールが持つ「コミュニティ形成力」だ。シニアにこそおすすめのピックルボール|60代・70代が始めるメリットと注意点でも紹介しているように、このスポーツは年齢を問わず参加しやすく、かつて教会に集っていたシニア世代が再び同じ空間に集まることで「失われたコミュニティの再生」にもつながっていると、地域住民は口を揃える。

カナダのピックルボール熱が後押しする転用の波

この動きの背景には、カナダ全土でのピックルボール爆発的な普及がある。カナダのピックルボール事情|北米第2の市場の現状と成長背景によると、カナダは北米第2のピックルボール市場として急成長しており、特に屋内コートの不足が深刻な課題になっている。カナダは冬期が長く、屋外でプレーできる期間が限られるため、屋内施設へのニーズが格段に高い。

教会は多くの場合、暖房設備も整っており、駐車場も広い。「冬でも快適に遊べる屋内コート」という需要と「維持費に苦しむ大型建物」という供給が見事にマッチしたかたちだ。ケベック州政府も、歴史的建造物の保存活用に補助金を出す制度を整備しており、こうした転用プロジェクトを後押しする追い風にもなっている。

日本の廃校・公共施設に同じ可能性はあるか

このニュースを読んで、日本のプレーヤーも他人事ではないと感じるはずだ。日本でも少子化・過疎化による廃校、閉鎖された公民館や体育館が全国各地に存在する。体育館やコミュニティホールは天井も高く、ピックルボールコートへの転用ポテンシャルは十分にある。

実際、日本国内でも廃校を活用したスポーツ施設の事例は増えつつある。ピックルボールのコートサイズはバスケットボールコートの約4分の1。体育館1つに最大4〜6面を設置できる計算だ。ピックルボールとメンタルヘルス|ストレス解消・うつ予防に効果的な理由でも触れているとおり、ピックルボールは孤独感の軽減や地域コミュニティの活性化に効果的であることが研究で示されている。人口減少地域こそ、こうした取り組みの恩恵を受けやすい。

地域の廃施設再生と、ピックルボール普及を組み合わせる「ケベックモデル」は、日本にとっても大いに参考になる先進事例だ。自治体やスポーツ協会がこうした取り組みに目を向けることで、コート不足の解消と地域の課題解決を同時に実現できる可能性がある。

まとめ:スポーツが建物を、建物がコミュニティを救う

ケベック州の教会ピックルボール転用は、単なる「変わった話題」ではない。スポーツの持つコミュニティ形成力と、遊休施設の有効活用という二つの社会課題が交差した、非常に示唆に富む事例だ。

ピックルボールは「場所さえあればできる」スポーツとしても知られている。専用施設がなくても、既存の空間を活かして始められることが、世界中での急速な普及を支えている。ケベックの教会が証明したように、廃れかけた場所に人々を呼び戻す力がこのスポーツにはある。

日本でも、地域のプレーヤーや自治体が手を組んで「使われなくなった空間」をコートに変えていく動きが広まることを期待したい。


参照元:Can pickleball help save Quebec churches? – CBC

よくある質問

Q1: ケベック州でピックルボールコートに転用された教会はどのくらいありますか?

A1: CBC(カナダ放送協会)の報道によると、ケベック州内の複数の教会でピックルボールへの転用が進んでいます。ケベック州には約2,800の教会があり、その多くが維持費の問題を抱えているため、今後もこうした転用事例が増えると見られています。

Q2: 教会の建物はピックルボールに適した構造ですか?

A2: 多くの教会の身廊(礼拝スペース)は天井が高く、床面積も広いため、ピックルボールコートの設置に適しています。コート1面あたり約13.4m×6.1mのスペースがあれば設置できるため、大型の教会では複数面の確保も可能です。

Q3: 日本でも廃施設をピックルボールコートに転用する動きはありますか?

A3: 日本ではまだ本格的な事例は少ないですが、廃校や閉鎖された体育館をスポーツ施設として活用する取り組みは増えています。ピックルボールはコートサイズが小さく、既存の体育館に複数面設置できるため、今後の普及に伴い廃施設転用の事例が増えることが期待されています。

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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜

ベトナム在住3年目のピックルボール愛好家です。高校時代はバドミントン部に所属し、シャトルを追う毎日を過ごしていました。現在はホーチミンの熱気の中、バドミントンの経験を活かしたスピーディーなボレーと、ピックルボール特有の戦略的な駆け引きにどっぷり浸かっています。現地のコート情報や、バドミントン経験者ならではの上達のコツなど、ベトナムのリアルなプレイ環境をゆるく発信していきます!

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