GUILD株式会社が2026年10月3日、北海道・ルスツリゾートの屋外コートで「RUSUTSU PICKLEBALL フェスティバル 2026 with PICKLE PICKLE」を開く。会場は北海道内で初めて一般財団法人ピックルボール日本連盟の公認を受けた屋外専用8面。競技色の強い大会とは別に、初めてパドルを握る人から夜のパーティーまでを一日でつなぐ催しとして設計されている。北海道でリゾートがコートを構え、そこへ外部の主催者がイベントを持ち込む——この構図が動き始めた一例として、当日の中身を追う。
10月3日、ルスツの公認8面で一日限りのフェスが立つ
主催はGUILD株式会社と「RUSUTSU PICKLEBALL フェスティバル 2026 運営事務局」。開催日は10月3日の土曜、会場はルスツリゾートの屋外コートエリアに整備された8面だ。この8面は連盟公認の屋外専用コートで、北海道では初めて公認を取得した施設にあたる。雪深い土地でスキー場を持つリゾートが、雪のない季節の屋外コートを軸にイベントを組む点に、通年でコートを回そうとする意図が透ける。
協力にはYouTube番組「PICKLE PICKLE」が名を連ねる。撮って配信することを前提にした催しであり、コートの上で起きたことを映像に残して外へ広げる回路が、企画の初めから組み込まれている。
朝は体験、午後は交流、夜はパーティー。三部構成で客層を分ける
一日は三つの時間帯に切られている。午前はルール説明とミニレッスンから始める初心者体験会、午後はミックスダブルスを中心とした交流会、夜は表彰とDJ交流、そして光るピックルボールを使った時間だ。参加費は午前の体験会が3,000円、午後のミックスダブルスが4,000円、夜の交流が4,000円と、時間帯ごとに分けて設定されている。
時間帯を割った作りは、来場者を一種類に絞らない構えにつながる。ラケットを握ったことのない層は午前だけを選べるし、試合をしたい層は午後に的を絞れる。プレーはしないが場の空気を味わいたい層は夜だけ来ればいい。一つの入場料で全部を抱き合わせにせず、参加のハードルを段ごとに下げていく。
ゲストは立野沙紀、映像番組が拡散の入口になる
当日のゲストには、アイドルグループ「Draw me」のメンバーで女優・タレントの立野沙紀が入る。バラエティ企画「NOBROCK TV」への出演で名を知られた人物で、当日は参加者とパドルを交える交流体験を予定するとされる。ほかにもプロのピックルボール選手を含む出演者が順次発表される見込みだ。
タレントを一日だけコートに立たせて終わりにしないのが、映像番組を協力に据えた狙いだろう。会場で撮った場面がPICKLE PICKLEのチャンネルに乗れば、来られなかった人にも当日の熱が届く。競技の記録より、初めて触れる人が笑っている画を残す方向へ寄せた企画だ。
光るピックルボールとDJで、夜を競技から切り離す
夜の部で使われる光るピックルボールは、暗さを弱点ではなく演出に変える道具になる。屋外コートは日が落ちれば普通は店じまいだが、球そのものが光れば夜こそ映える時間に反転する。DJが音を入れ、表彰で一日を締める流れは、勝ち負けの記録より一夜の体験を売る組み立てだ。
光る球や夜間の演出は、渋谷の地下に灯った期間限定コートなど、都市部の集客施設でも試されてきた。ルスツはそれを北海道のリゾートに持ち込み、宿泊とセットで一晩の遊びとして差し出す。競技として上手いかどうかを問わない時間を夜に置くことで、フェスの間口はさらに広がる。
同じ8面でも「大会」と「フェス」は別の主体が動かす
混同を避けたいのは、この8面をめぐって性格の違うイベントが並走している点だ。ルスツリゾートのコートは、リゾートを運営する事業者が整備し、連盟公認まで持っていった資産である。夏には同じ8面を舞台に、順位と称号を争う競技寄りの大会も走っている。ルスツの専用8面が冠戦の会場になった経緯は、コートの持ち主が競技イベントを自ら仕掛ける流れとして読める。
一方で今回のフェスは、GUILD株式会社という別の主体がその公認コートを舞台に企画するイベントだ。施設を持つ側が大会を開くのと、施設を借りる側がフェスを持ち込むのとでは、狙う客も収益の作り方も異なる。ルスツのコート整備が伊豆の20面などと合わせて複数拠点の増設として進んできた背景を踏まえると、公認8面は運営元にとって、自前の大会にも外部のフェスにも貸せる稼働資産になっている。コート数が増えるほど、そこへ乗る企画の種類も増えていく。
リゾートがコートを持ち、外の主催者がイベントを載せる
リゾート施設がピックルボールのコートを抱える動きは、北海道の外でも重なっている。長野の軽井沢では2026年8月から、スキー場を持つリゾートがピックルボール体験を導入し、屋内外のコートで天候に左右されない環境を整えた。八ヶ岳の高原リゾートが屋外6面を構え、宿泊者にプレーを開放した例や、淡路島の温浴施設がサウナの隣にコートを置いた例も、宿泊や温泉と組み合わせて滞在時間を伸ばす一手として並ぶ。
スキー場や温泉地には、既存のテニスコートや空いた屋外スペース、そして宿泊機能がそろっている。パドルとネットを足せばコートに変わる手軽さは、遊休設備を持て余す施設と相性がいい。ルスツのフェスは、そうしてできたコートを一日だけ外の主催者が借り、映像とタレントで賑わいを乗せる形だ。施設は稼働を、主催者は場所を、それぞれ相手から借りている。
5,000人から33万人へ。主催者が示す数字の読み方
今回のリリースは、市場の伸びを裏づける数字も並べている。プレスリリースによると、国内の競技人口は2024年4月時点でおよそ5,000人、2025年3月には推定で約45,000人まで増え、2026年の推計では競技人口が約33万人、潜在プレイヤーは約1,189万人にのぼるという。米国では2025年に約2,430万人が競技に触れ、2022年から2025年で171.8%増えたとされる。
ただし国内の45,000人や33万人といった数値は主催者側の推計・推定であり、集計元や定義がそのまま示されているわけではない。伸びの勢いを語る材料としては受け取れても、確定した競技人口として扱うには根拠が足りない。数字を使うなら「主催者発表によると」と留保を付けて読むのが妥当だ。イベントの意義は、この推計が正確かどうかより、初心者の入口を一日で厚く用意した設計そのものにある。
北海道でフェス型が根づくかは、次の一日で測られる
コートを持つ施設が増え、映像とタレントで人を呼ぶ主催者が現れ、初心者から夜遊びまでを一日に畳み込む。ルスツのフェスは、これらが北海道で一度に噛み合うかを試す場になる。単発の話題で終わるのか、翌年以降の恒例へ育つのかは、当日の来場者数と、そこで撮られた映像がどれだけ次の参加者を連れてくるかにかかる。
屋外8面という器はすでにある。あとはそこへ何を乗せ、誰を巻き込むか。10月3日は、コートを整えたリゾートと、そこに企画を持ち込む外部主催者の組み合わせが、北海道でどこまで通用するかを見る一日になる。
参照元
GUILD株式会社 プレスリリース「RUSUTSU PICKLEBALL フェスティバル 2026 with PICKLE PICKLE」(PR TIMES)
ルスツリゾート イベント情報
軽井沢プリンスホテルスキー場「ピックルボール」体験アクティビティ導入(西武プリンスホテルズ&リゾーツ)

