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韓国でピックルボールが急速に広がっています。
テニスブームに沸く韓国で、このスポーツは新たな選択肢として注目を集めているのです。ソウルや釜山などの主要都市を中心に、専用コートが次々と誕生し、プレイヤー人口も着実に増加しています。日本との交流も活発化しており、アジア全体でのピックルボール文化の形成が進んでいます。
本記事では、韓国におけるピックルボールの現状、普及の背景、主要都市での活動状況、そして今後の展望について詳しく解説します。
韓国でのピックルボール普及の歴史と現状
韓国でピックルボールが初めてプレーされたのは2016年です。延世大学でスタートしたこのスポーツは、当初バドミントンコートを代用して行われていました。延世大学は韓国の三大名門大学の一つとして知られ、国際的なネットワークを持つ教育機関です。
この大学で初めて「ピックルボールクラブ」が誕生したことが、韓国での普及の起点となりました。
その後、複数の大学でサークルが設立され、2018年には大韓ピックルボール協会が創立されました。同年、韓国は国際ピックルボール連盟(IFP)に加盟し、本格的な普及活動が始まったのです。現在、韓国でピックルボールを楽しむアクティブユーザーは約2,500名程度と推定されています。

日本と比較すると、韓国の普及は若干遅れてスタートしました。日本では2014年に元全米チャンピオンのダニエル・ムーアさんが初めてピックルボールを持ち込み、2015年には日本ピックルボール協会が設立されています。しかし、韓国は爆発的なテニスブームという追い風を受けており、今後の成長ポテンシャルは極めて高いと言えます。
出典 Pickle One「韓国でのピックルボールの盛り上がりは?テニスブームの中での状況」(2024年1月)より作成
テニスブームが後押しする韓国のラケットスポーツ文化
韓国では現在、爆発的なテニスブームが起きています。
公営コートは抽選倍率が非常に高く、当選することが困難な状況です。テニスをテーマにしたホテルまで建設されるほどの人気ぶりで、Instagramでは若者がテニスをする投稿が溢れています。このテニスブームは、ラケットスポーツ全体への関心を高める効果をもたらしました。
ピックルボールはテニスよりも手軽に始められ、コートサイズも小さいため、テニス経験者が気軽に楽しめる選択肢として注目されています。テニスで培ったラケットスポーツのスキルを活かしながら、より社交的で年齢を問わず楽しめるピックルボールへの移行が進んでいるのです。

韓国のバドミントン文化も、ピックルボール普及の土台となっています。バドミントンは韓国で広く親しまれており、似たサイズのコートで遊べるピックルボールへの移行は自然な流れでした。既存のバドミントンコートを活用できることも、普及を加速させる要因となっています。
韓国全土に広がるピックルボールクラブの活動拠点
2024年1月時点で、韓国では合計14ヶ所の都市でピックルボールクラブの活動が確認されています。主要な活動拠点は以下の通りです。
首都圏エリア
- ソウル:韓国の首都であり、最も多くのクラブが活動する中心地
- パジュ(坡州):ソウル近郊の都市で、複数の施設が利用可能
- イルサン(一山):新都市として発展したエリアで、近代的な施設が充実
- ソンド(松島):国際都市として知られ、外国人プレイヤーも多い
- アンサン(鞍山):多文化都市として知られる地域
地方主要都市
- プサン(釜山):韓国第二の都市で、日本との交流も活発
- クァンジュ(光州):南西部の中心都市
- テグ(大邱):南東部の主要都市
- チョンジュ(全州):伝統文化が残る都市
- アンドン(安東):歴史的な都市
その他のエリア
- ヤンピョン(楊平郡):自然豊かな地域
- イェチョン(醴泉郡):地方の小都市
- コチャン(高敞郡):農村地域
- チェジュ(済州島):観光地としても人気のリゾート地

これらの都市では、既存のスポーツ施設を活用しながら、ピックルボール専用コートの整備も進んでいます。特にソウルと釜山では、定期的に大会やトーナメントが開催され、コミュニティの結束が強まっています。
出典 Pickle One「韓国でのピックルボールの盛り上がりは?テニスブームの中での状況」(2024年1月)より作成
日韓交流と国際的な連携の進展
韓国と日本のピックルボールコミュニティは、活発な交流を展開しています。2024年8月18日と19日には、韓国釜山から来日した選手団との「日韓交流ピックルボール大会」が開催されました。このような国際交流イベントは、両国のプレイヤーにとって貴重な経験となり、技術向上とコミュニティ拡大に貢献しています。
日本のピックルボール団体も、韓国との連携を重視しています。UTRピックルボールツアーでは、上位選手に日本韓国の往復航空券を進呈し、韓国選手との強化練習の参加権利を提供する取り組みが行われています。これは、アジア地域でのピックルボールレベル向上を目指す戦略的な施策です。
アジア全域でもピックルボールが急速に盛り上がっており、インド、中国、タイ、ベトナム、マレーシアなどでも専用コートが作られ、アジア大会なども開催されています。韓国はこのアジアのピックルボールネットワークにおいて、重要な役割を果たしています。
出典 八王子ピックルボール協会「日韓交流ピックルボール大会」(2024年8月)より作成
韓国ピックルボールの今後の展望と課題
韓国のピックルボール市場は、今後さらなる成長が期待されています。テニスブームを経験した若年層が、次のステップとしてピックルボールに注目する可能性が高いからです。テニスで培ったラケットスポーツへの関心と技術を持つプレイヤーが、より手軽で社交的なピックルボールに移行する流れは、自然な展開と言えるでしょう。

企業のチームビルディング活動としてもピックルボールが採用されており、従業員の健康促進とコミュニケーション強化のツールとして活用されています。学校や大学でもプログラムが導入され始めており、若い世代への普及が進んでいます。
しかし、課題も存在します。専用コートの数はまだ限られており、既存施設の転用だけでは需要に追いつかない可能性があります。また、指導者の育成やルールの標準化、大会運営のノウハウ蓄積なども必要です。
それでも、韓国政府がスポーツ振興の一環として新しいスポーツの発展を支援していることは、大きな追い風となっています。地方自治体が公共スペースにコートを建設するケースも見られ、コミュニティレベルでの普及が進んでいます。
まとめ
韓国のピックルボールは、2016年の導入から約10年で着実な成長を遂げています。現在約2,500名のアクティブユーザーを抱え、全国14ヶ所の都市で活動が展開されています。テニスブームという追い風を受け、今後さらなる拡大が期待されます。
日本との交流も活発化しており、アジア全体でのピックルボール文化の形成が進んでいます。企業や学校での導入も進み、幅広い年齢層に受け入れられる土壌が整いつつあります。韓国のピックルボールシーンは、アジアにおける重要な拠点として、今後も注目に値する存在となるでしょう。
ピックルボールに興味を持った方は、ぜひ一度体験してみてください。手軽に始められ、年齢を問わず楽しめるこのスポーツは、新しいコミュニティとの出会いをもたらしてくれるはずです。