マルティネス市のコートが騒音苦情で閉鎖
米カリフォルニア州マルティネス市(コントラコスタ郡)の公共ピックルボールコートが、近隣住民からの騒音苦情を受けて閉鎖されました。KRON4が2026年3月20日に報じたもので、北米のピックルボールコミュニティに影響を与えています。
閉鎖理由は、ポリマー素材のボールがパドルに当たる際の打球音です。この「パチン」という甲高い音は、テニスやバドミントンとは異なり、かなり遠くまで響きます。特に早朝や夕方の時間帯は音が届きやすく、住宅地に近いコートでは住民との摩擦が生まれやすい構造があります。
市当局に繰り返し苦情が申し入れられた結果、市がコートの使用停止を決定したとみられています。一時的な閉鎖か恒久的なものになるかは公式情報で確認が必要です。
ピックルボールの騒音問題は世界的な課題
この問題はマルティネスに限りません。米国・カナダを中心に各地で同様のトラブルが相次いでいます。
主な原因は以下の2点です。
① ボールとパドルの素材
ピックルボールで使うボールはプラスチック製で、硬質パドル(グラスファイバー・カーボン素材が多い)と組み合わさることで、独特の高周波音が発生します。この周波数帯(およそ800〜1200Hz付近)は人間の耳に通りやすく、距離があっても聞こえやすいという特性があります。
② コートの急増と設置場所の課題
ピックルボール人口の拡大に伴い、既存のテニスコートや公園の一角を転用してピックルボールコートを作るケースが増えました。もともと住宅地から離れた場所に設計されたわけではないため、近隣への音の影響が設計段階で考慮されていないことが多いのです。
実際、米国の複数の自治体ではコートの設置基準を見直す動きも出ており、防音フェンスや吸音材の設置を義務付ける地域も出てきています。
実際に導入されている対策
各地で騒音問題に対応するため、複数の対策が試みられています。
低騒音ボール・パドルの活用
「クワイエットボール(Quiet Ball)」と呼ばれる低騒音設計のボールが登場しています。通常のボールより音が約30〜50%低減されるとされており、住宅地近くのコートで使用する動きが広がっています。パドル側も、ポリマーコアを採用した吸音設計のものが増えています。
防音設備の整備
防音フェンス(特に低周波を吸収するメッシュタイプ)の設置は効果的とされています。ただしコストがかかるため、自治体や施設側の協力が不可欠です。
時間帯ルールの設定
朝8時以前・夜8時以降はプレー禁止といった時間制限を設けることで、住民との共存を図るコートも増えています。
コミュニティ対話
プレーヤーと住民が直接話し合う場を設け、お互いの理解を深める取り組みも有効です。米国の一部地域では、コート運営委員会に近隣住民代表を招いて定期的に意見交換を行っています。
日本のピックルボール施設が検討すべき対策
日本でもピックルボール人口は急速に増加しており、東京・大阪・名古屋などの都市圏を中心に屋内外のコートが増えています。
日本は住宅密集地が多く、騒音に対する社会的感度が高い
新たにコートを設置する際や既存コートを屋外で活用する場合には、以下の点を事前に確認・対策しておくことが重要です。
- 周辺住宅との距離と方角(特に風向き)
- 使用可能時間帯の設定と周知
- 防音フェンスや吸音マットの導入可否
- 近隣住民への事前説明と連絡窓口の設置
ピックルボールを日本でも持続的に楽しむためには、コート整備の段階から「近隣との共存」を意識した設計が求められます。マルティネスの事例は、日本のコミュニティ全体で参考にすべき教訓です。
まとめ
マルティネス市でのコート閉鎖は、ピックルボールの急成長がもたらす「都市型スポーツの摩擦」を象徴する出来事です。スポーツとしての発展を保ちながら地域に根付くには、プレーヤー・施設運営者・自治体が三位一体で対策に取り組む必要があります。
参照元: KRON4「Martinez pickleball courts shuttered after neighborhood complaints」(2026年3月20日)
https://kron4.com/
よくある質問
Q1: ピックルボールはなぜテニスより音がうるさいのですか?
A1: ピックルボールはプラスチック製の硬いボールを、グラスファイバーやカーボン素材の硬質パドルで打つため、インパクト時に高周波の甲高い音が発生します。この周波数帯は人間の耳に届きやすく、テニスのようにガットでボールをしなやかに受け止める打音とは性質が異なります。距離があっても聞こえやすいのが特徴です。
Q2: 低騒音ボールはどこで手に入りますか?
A2: 海外ブランド品は一部の専門通販サイトや輸入スポーツ用品店で取り扱いがあります。国内でも「クワイエットボール」「静音ボール」といったキーワードで検索すると見つかることがあります。使用前にコートやルールとの適合性を確認してください。
Q3: 日本で屋外コートを設置する際の注意点は?
A3: 周辺住宅との距離・使用時間帯の設定・防音フェンスの有無が主な確認ポイントです。設置前に近隣住民への説明会を開くことや、市区町村の騒音規制条例を事前に確認することも重要です。

