米パドルメーカーThrive Pickleballが、同ブランド初のフォームコアパドル「Ignite 15.5mm」を2026年4月にリリースした。価格は220ドル(約33,000円)。スピン性能2,088 RPM(92パーセンタイル)、パワー93%という高水準のスペックを備えながら、スイングウェイト113と軽めに仕上げた「振りやすいパワーパドル」が最大の特徴だ。
スペック詳細——TPEフォーム×クリアフュージョングリットの独自設計
Igniteの核となるのはTPE(熱可塑性エラストマー)ベースのダイビングボード型フォームだ。一般的なEVAフォームではなくTPEを採用することで耐久性を向上させている。フォームの配置は「ダイビングボード型」と呼ばれるペリメーター(外周)集中構造で、スロースイング時にはソフトに応答し、速いスイングでは芯材が硬化してパワーを引き出す「活性化パワー(Activated Power)」を実現する。
フェイス面にはロウカーボンファイバーを使用し、その上に独自の「Clear Fusion Grit」をスプレーコーティング。この表面処理はピールプライに直接結合する設計で、通常のロウカーボンよりグリット持続性が高い。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 価格 | 220ドル(約33,000円) |
| 形状 | ハイブリッド |
| コア厚 | 15.5mm(16mmフォーム使用) |
| コア素材 | TPEベース・ダイビングボード型フォーム |
| フェイス素材 | ロウカーボンファイバー + Clear Fusion Grit |
| 静止重量 | 7.99 oz(約226g) |
| スイングウェイト | 113 |
| ツイストウェイト | 6.67 |
| バランスポイント | 240mm |
| ハンドル長 | 5.5インチ |
| グリップ周長 | 4.125インチ |
| 保証 | 1年間 |
| USAP認証 | あり |
性能テスト結果——スピン92パーセンタイル、グリット持続性90%
レビューサイトの実測データによると、スピン生成は2,088 RPMで全パドル中92パーセンタイルに位置する。パワーは93%、ポップ(打球の弾き)は89%、コントロールは80%、スウィートスポットの広さは89%と、攻撃面で高い数値を記録した。
特筆すべきはグリットの持続性テストだ。Ra(算術平均粗さ)の維持率は90%、Rz(最大高さ粗さ)の維持率は88%で、標準的なロウカーボンの平均値を上回った。一般的なフォームパドルのグリットが2〜3ヶ月で劣化するなか、Igniteの表面処理は長期間のスピン性能維持を期待できる。
| 指標 | スコア |
|---|---|
| パワー | 93% |
| ポップ | 89% |
| コントロール | 80% |
| スピン | 96%(2,088 RPM) |
| スウィートスポット | 89% |
| 操作性 | 87% |
| Firepower Zスコア | 72 |
現地レビュアーの評価
Pickleball Effectは「スイング速度に応じてパワーがスケールする設計で、常にフリーパワーを放出するタイプではない。自分のスイングでパワーを引き出す感覚が得られる」と評価。「JOOLAがフォーム路線に行っていたらPro Vシリーズはこうなっていたかもしれない」という比較コメントも注目された。
Matt’s Pickleballは「フォームパドル初心者に最適。Selkirk BoomstikやB&B Locoのような即座のポップではなく、密度感のあるソフトな打感でコントロールしやすい」と述べている。
ユーザーコミュニティでは「スイングウェイト113はフォームパドルとしては軽い部類で、ハンズバトルでも振り遅れにくい」という実用的なフィードバックが多い。
日本のプレイヤーへの実用情報
日本国内での正規販売は現時点で未確認だが、Thrive Pickleballの公式サイト(thrivepb.com)から直接購入が可能。「IGNITE HYBRID FOAM」として掲載されており、推定配送日は4月27日前後。海外発送対応の有無は公式サイトで確認が必要だ。
日本で人気の11Six24 Power 2やJOOLA Pro Vシリーズと比較すると、Igniteはスイングウェイトが軽い分、操作性で優位に立つ。一方でパワーの出方は「スイングスピード依存型」であるため、コンパクトなスイングが多い日本のプレイヤーにはやや慣れが必要かもしれない。
業界への波及——フォームコア市場の細分化が加速
2026年のパドル市場はフォームコアが完全に主流化し、ランキング上位10モデルがすべてフォームコアで占められる状況だ。そのなかでThrive Igniteは「活性化パワー」という新しいカテゴリを提唱し、従来の「即座にポップするフォーム」と「コントロール重視のポリマー」の中間領域を狙っている。
Honoluluはグリット耐久性6ヶ月超を謳うCrystal Blue Endurance Surfaceモデルを5月に控えており、表面処理の耐久性競争も激化している。Thrive IgniteのClear Fusion Gritがどこまで市場に浸透するか、今後の動向に注目だ。
| モデル | 価格 | スイングウェイト | スピン(RPM) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Thrive Ignite 15.5mm | $220(約33,000円) | 113 | 2,088 | 活性化パワー・軽量フォーム |
| Selkirk Boomstik | $250(約37,500円) | 118〜120 | 2,100+ | 即ポップ型フォーム |
| 11Six24 Power 2 | $230(約34,500円) | 116 | 2,050+ | HexGritで耐久性重視 |
| JOOLA Pro V (Kosmos) | $250(約37,500円) | 117 | 2,000+ | プロモデル・ポリマーコア |
まとめ
Thrive Ignite 15.5mmは、フォームコア全盛の2026年パドル市場に「活性化パワー」という新コンセプトで切り込んだ一本だ。スイングウェイト113の軽さとスピン2,088 RPMの攻撃力を両立し、フォームパドル特有の重さや暴れを抑えた設計は、フォームへの移行を検討するプレイヤーにとって魅力的な選択肢となる。
FAQ
「活性化パワー(Activated Power)」とは?
Thrive独自の設計コンセプト。ダイビングボード型にフォームを外周配置し、ゆっくり振ったときはソフトに、速く振ったときだけ芯材が硬化してパワーを解放する仕組み。従来のフォームパドルのように常に強い弾きが出るのではなく、スイングスピードに応じてパワーが変化する。
Igniteはどんなプレイヤーに向いている?
フォームコアパドルに初めて移行するプレイヤー、パワーは欲しいがコントロールも犠牲にしたくないプレイヤーに適している。逆に、スイングせずにフリーパワーが欲しい人や、硬くて弾く打感が好みの人には合わない可能性がある。
Clear Fusion Gritはどのくらい持つ?
テストではRa維持率90%、Rz維持率88%を記録しており、標準的なロウカーボン面よりも長持ちする。具体的な月数は使用頻度に依存するが、一般的なグリットの2〜3ヶ月を上回る耐久性が期待できる。