2026年4月1日から5日にかけて、ベトナム・ハノイのミーディン屋内陸上競技場で開催されたPPA Asiaツアー最高峰大会「MB Hanoi Cup 2026」。PPAアジア1000ポイント大会として、25名以上の米国トッププロが参加した今大会で、アンナ・リー・ウォーターズ(Anna Leigh Waters)が混合ダブルスと女子ダブルスで2冠を達成した。
大会結果まとめ
| 種目 | 優勝 | 準優勝 | スコア |
|---|---|---|---|
| 男子シングルス | Ly Hoang Nam(ベトナム) | — | — |
| 女子シングルス | Kaitlyn Christian(米国) | — | — |
| 男子ダブルス | Gabe Tardio / Ben Johns | — | — |
| 女子ダブルス | Anna Leigh Waters / Anna Bright | Tyra Black / Catherine Parenteau | 11-7, 11-5 |
| 混合ダブルス | Anna Leigh Waters / Ben Johns | Kaitlyn Christian / Christian Alshon | 11-5, 11-2 |
最大の衝撃:ベトナム人Ly Hoang Namが男子シングルスを制す
今大会で最も注目すべき結果は、地元ベトナムのLy Hoang Nam(リー・ホアン・ナム)が男子シングルスを制したことだ。もともとテニスのプロ選手としてATPツアーに参戦していた彼が、ホームの大歓声を背に米国プロを次々と打ち負かした。
ピックルボールにおけるアジア人選手の国際大会優勝は珍しく、「地元選手がプロを倒した」という事実は東南アジア全体のピックルボール競技レベルの向上を示す象徴的な出来事だ。テニスの技術基盤をピックルボールに転用した彼のスタイルは、アジア圏での普及モデルとしても注目される。
ウォーターズ:国際大会デビューで2冠の意味
アンナ・リー・ウォーターズにとって、今大会は「初の国際ピックルボール大会」だった。女子シングルスは体調への配慮からエントリーを取り下げ、女子ダブルス(アンナ・ブライトとのペア)と混合ダブルス(ベン・ジョンズとのペア)の2種目に集中。いずれも圧倒的なスコアで優勝を果たした。
特に混合ダブルス決勝では11-5, 11-2という大差でクリスチャン/アルションペアを下しており、国際舞台でも米国での支配力が全く落ちていないことを証明した。フランクリン社との新パートナーシップ下での初の国際大会としても注目された。
JOOLA HC-40ボール:米国との環境差がプレーに影響
今大会で特筆すべき技術的な変数が、使用球だ。今大会ではJOOLA HC-40ボールが使用されており、米国のトーナメントで一般的に使われるボールより「はるかに遅い」とされている。
この速度差はラリーの長さと戦略に直接影響する。スピードボールに慣れた米国プロが「球が遅い環境」でどう戦略を変えるかは、アジアツアーならではの観戦ポイントだ。日本でも今後PPAアジアツアーが開催される際、使用球の違いはプレーヤーにとって重要な準備ポイントになる。
PPAポイント1000:米国ツアーと同等の価値
MB Hanoi Cupは「PPAアジア1000」として、米国で開催されるUSオープン等の主要大会と同等の1000ポイントが付与される。これはアジア大会を「格下」扱いしないPPAの姿勢を示しており、アジア圏での競技水準向上へのコミットメントを意味する。
PPA・APP・MLPの3大プロリーグの仕組みについてはピックルボール観戦ガイド、プロレベルの技術評価についてはスキルレーティング完全解説もあわせてご覧ください。
日本プレーヤーへの示唆
MB Hanoi Cupの結果は、日本のピックルボールプレーヤーにいくつかの示唆を与える。第1に、アジア人選手がトッププロを倒せる実力に近づいていること。第2に、PPAアジアツアーが今後日本でも大会を開催する方向で動いていること(2026年7月に東京大会が予定)。第3に、「ボールの種類による戦略変更」という視点は、日本国内大会でも活かせるスキルだ。
FAQ
- Q. MB Hanoi Cupとは何ですか?
- A. PPAツアーのアジア部門が主催するプロピックルボール大会です。ハノイのMBバンクが冠スポンサーを務め、2026年は4月1〜5日にベトナム・ハノイで開催されました。米国トップ選手25名以上が参加し、1000PPAポイントが付与される最高グレードのアジア大会です。
- Q. Ly Hoang Namはテニス選手ですか?
- A. はい。もともとATPツアーのプロテニス選手で、ベトナム国内テニスランキング1位の実力者です。ピックルボールへの転向後、国内外の大会で好成績を残しており、今大会では地元ハノイで見事優勝を飾りました。
- Q. 日本で同様の大会を観戦できますか?
- A. 2026年7月1〜4日に東京・立川でPPA ASIA 500 Sansan TOKYO OPENの開催が予定されています。国内でプロの試合を観戦できる貴重な機会です。
引用元:PPA Tour Asia公式、Pickleball News Asia、VnExpress International