パドルメーカーJOOLAとPaddletek Groupが、プロパルション・コア技術に関する特許侵害訴訟で和解に達した。2026年5月14日に成立した合意により、PaddletekとProXRはJOOLAへのロイヤルティ支払いを開始し、対象パドル3モデルを2026年秋までに段階的に販売終了する。6月2日に報じたJOOLA11社一斉提訴の続報として、最初の和解が成立した形だ。
和解の具体的条件——3モデルが対象、秋までにフェーズアウト
和解対象となったパドルは、Paddletek Reserve、HoneyFoam、ProXR Signature Joltの3モデル。これらはJOOLAが特許を保有する「プロパルション・コア」技術を使用しているとされていた。
合意の柱は3つある。第一に、PaddletekとProXRは対象パドルにJOOLAのプロパルション・コア特許番号を記載する。第二に、両社はJOOLAに対して継続的なロイヤルティを支払う。第三に、対象パドルの製造・販売を2026年秋までに終了する。
Paddletek Groupにとっては製品ラインナップの一部に限定された影響であり、主力製品の多くは和解の対象外となっている。
6月2日の11社提訴からわずか2週間——急展開の背景
JOOLAは国際貿易委員会(ITC)を通じて、プロパルション・コア技術の特許侵害を主張する訴訟を展開してきた。6月2日に本サイトが報じた時点では、Proton、Diadem、RPM、Adidas Pickleball、Engage、Facolos、Franklin、Friday、Volair、そしてPaddletek/ProXRを含む11社が被告だった。
今回の和解でPaddletekとProXRが離脱し、残る被告は9社となった。JOOLAにとっては「和解の先例」を作ったことで、残りの訴訟でも交渉を有利に進められる可能性がある。
和解条件の比較
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 和解日 | 2026年5月14日 |
| 対象メーカー | Paddletek、ProXR |
| 対象パドル | Paddletek Reserve / HoneyFoam / ProXR Signature Jolt |
| ロイヤルティ | 継続的支払い(金額非公開) |
| 特許番号記載 | 対象パドルに必須 |
| 販売終了期限 | 2026年秋 |
| 残る被告企業数 | 9社 |
両社CEOの声明——「知的財産を尊重する」
JOOLAのCEO、Richard Leeは「This is what principled competition looks like. Both companies have deep roots in this sport, and we appreciate their willingness to acknowledge JOOLA's intellectual property(これが原則に基づいた競争の姿だ。両社ともこのスポーツに深い根を持っており、JOOLAの知的財産を認める姿勢に感謝する)」と述べた。
Paddletek GroupのRon Saslowは「We take intellectual property protection seriously and rely on it in our own business with a multitude of our own patents and trademarks(当社は知的財産保護を真剣に受け止めており、自社でも多数の特許・商標を保有している)」と応じた。
双方が「知的財産の尊重」を強調するコメントを出しており、訴訟が泥沼化する前に実務的な決着を選んだ印象だ。
日本市場への影響——パドル選びの判断材料に
日本のピクルボール愛好者にとって、この和解は直接的な影響は限定的だ。しかし、Paddletek ReserveやProXR Signature Joltを使用しているプレーヤーは、2026年秋以降にこれらのモデルが入手困難になる可能性を考慮しておく必要がある。
また、JOOLAのプロパルション・コア技術が特許として確立された先例ができたことで、今後の新製品開発においてメーカー各社は独自技術の開発を加速させるか、JOOLAとのライセンス契約を結ぶかの選択を迫られる。パドル市場全体の技術革新の方向性に影響を与えうる和解だ。
残る9社の訴訟——パドル業界の地殻変動は続く
Paddletek/ProXRの和解は「最初のドミノ」に過ぎない可能性がある。JOOLAがITCを通じて争っている残り9社——Proton、Diadem、RPM、Adidas Pickleball、Engage、Facolos、Franklin、Friday、Volair——の訴訟は依然として進行中だ。
和解条件が「ロイヤルティ支払い+段階的販売終了」という前例を作ったことで、他の被告企業にも同様の条件が提示される可能性が高い。特にAdidas Pickleballのような大手ブランドがどう対応するかが、今後の業界構造を左右する。
訴訟の全体像
| カテゴリ | 企業名 | ステータス |
|---|---|---|
| 和解済み | Paddletek、ProXR | ロイヤルティ支払いで合意 |
| 訴訟継続中 | Proton | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Diadem | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | RPM | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Adidas Pickleball | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Engage | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Facolos | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Franklin | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Friday | ITC審理中 |
| 訴訟継続中 | Volair | ITC審理中 |
まとめ
JOOLAとPaddletek/ProXRの和解は、ピクルボール業界初の大型特許訴訟における「前例」を作った。ロイヤルティ支払いと段階的販売終了という条件は、残り9社の被告にとっても一つの基準になる。パドル市場は年間数億ドル規模に成長しており、技術特許の帰属が競争の鍵を握る時代に突入した。JOOLAが残る訴訟でも同様の成果を収められるか、業界の行方を占う重要な分岐点だ。
出典:
Pickleball.com – JOOLA, Paddletek Group Settle Patent Dispute
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